【北京五輪】大問題は言葉の壁!? 困難を極める意思疎通
#北京五輪
北京五輪取材のため、中国入りしてから早9日。苛立ちは頂点に達しつつある。何がって? 前回のコラムで触れた大気汚染(記事参照)に、朝昼晩と一辺倒な中華料理、加えてこの上なく無愛想なレストランやホテルの従業員の態度。苛立つ要因は数限りなくあるのだが、とにかく最大の要因はあらゆる意思疎通が図れない点にある。
学生時代に第二外国語として“チャイ語”を選択していた筆者としては、情けない話だが、今では中国語をほとんど話せない。だが、中国では驚く以上に一般的に英語がまったくといっていいほど通じない。これは外国人にとっては大問題で、取材陣もほとほと困らせられている。
いったいどれほど通じないかといえば、レストランでは「Rice(ライス)」、「Tea(ティー)」を注文するのに四苦八苦。ホテルで朝食を取ろうとフロントで会場となるフロアを訊ねても、「Breakfast(ブレックファースト)」が通じない始末だ。
昨晩も、取材から戻った午前0時ごろ、ホテルスタッフにジェスチャーで「お腹が空いたから、これから近くのレストランに行きたい」と伝えたつもりが、案内してもらい着いた先は、なぜか「Hospital(病院)」。怒り以上に疲れがどっと出てしまった。
サンダル、短パンにTシャツ姿、少し日焼けして肌が黒くなりつつある筆者の状態を見て、なぜ午前0時に緊急病院に行かなければならないのか。これには言葉が通じない以前に、なんて想像力がないのかとあきれ果てるばかりだった。
最近の日本では、中国の発展ぶりばかりが注目されるが、実際に足を運ぶとそこは穴だらけ。ホテルやレストランはもちろん、五輪のメディアセンターですら、英語が堪能な人を探すことは、困難を極めるのである。
会場ごとにメディアの入り口やバス乗り場が異なっているものの、肝心の案内係のスタッフやボランティアが「Entrance(入り口)」や「Bus Stop(バス停)」という言葉を知らなければ、何の意味にもならない。
そういえば、2月にサッカーの取材で中国、第4の都市・重慶を訪れた際には、夜総会という名のクラブで、筆談をしながら女性スタッフとコミュニケーションを取ったことを思い出した。最後の手段はこれに限るかもしれない。
(取材・文/栗原正夫)
筆談ならこれが便利です。
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