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年間100億円以上! アニメが支える東宝の“独走”状態

pocket_mons.jpg (C)Nintendo・Creatures・GAME FREAK・TV Tokyo・ShoPro・JR Kikaku
(C)Pokemon (C)2008 ピカチュウプロジェクト

 『崖の上のポニョ』が1人旅を続ける夏休みの国内ボックスオフィスだが、2日~3日の週の上位5傑を見てみると、東宝配給作品がそのうち4本を占めている。また、東宝作品以外の1本は『カンフー・パンダ』なので、上位5傑のうち4本はアニメ作品ということになる。


1『崖の上のポニョ』(東宝)
2『劇場版ポケットモンスター ダイヤモンド&パール ギラティナと氷空<そら>の花束 シェイミ』(東宝)
3『劇場版NARUTO疾風伝/絆』(東宝)
4『カンフー・パンダ』(アスミック・エース、角川エンタテインメント)
5『花より男子ファイナル』(東宝)
全国週末興行成績 8月2日~8月3日/興行通信社調べ

naruto.jpg(C) 岸本斉史 スコット/集英社・テレビ東京・ぴえろ
(C) 劇場版NARUTO製作委員会 2008

 さて、この週の3位には『劇場版NARUTO』がランクインした。04年の劇場映画1作目『大活劇! 雪姫忍法帖だってばよ!!』が興収13.7億円を挙げたのを皮切りに、シリーズ化されて今年で5作目となっている。固定ファンがついており、新作を出せば必ず一定以上は稼げる、手堅いアニメ作品だ。

 ここで、東宝のアニメ映画についてまとめてみよう。東宝には、毎年決まった時期に新作が公開されるアニメ映画が5本ある。春休みの『ドラえもん』『クレヨンしんちゃん』、ゴールデンウィークの『名探偵コナン』、そして夏休みの『ポケモン』『NARUTO』である。いずれも少年漫画誌で連載、その後TVアニメ化を経て映画化というプロセスを踏んでいるので、タイトルは浸透済。固定ファンも多いためリスクの少ない安定した興行が保証されている。参考までに、今年を含むここ3年の東宝アニメ映画の興行収入をまとめてみた。

春休み『ドラえもん』 33億円・35.4億円・32.8億円
春休み『クレしん』 14億円・15.5億円・13.8億円
GW『コナン』 24億円・25.3億円・30.3億円
夏休み『ポケモン』 上映中・50億円・34.0億円
夏休み『NARUTO』 上映中・12億円・7億円
計 71億円(3本)・138.2億円・117.9億円
(いずれも左から順に08年・07年・06年)

 なんとこの5作品で、年間100億円以上を軽々と稼いでいるのである。ちなみに、07年の東宝の年間興収は595.1億円、松竹が156.7億円、東映が85.2億円。つまりこれらアニメ5作品は、年間で東宝の全作品の興収のうち23%を稼ぎだし、松竹の全作品の興収の88%に匹敵し、東映の全作品の興収よりも30億円以上多い。映画会社の『屋台骨を支える作品』という意味で『テントポール作品』という言葉があるが、まさにこの5本のアニメは東宝のテントポール作品と考えて間違いない。それぞれのポールの長さはそれほど長くはないが、まとめて100億円以上なら特大のポールである。しかもこのポールは、毎年そこに立ち続けているのだ。

 ファミリー向けのアニメ作品と侮る事なかれ、日本の映画興行は、こうしたアニメが足下を支えている。そして、それを毎年コンスタントに配給し続ける東宝が、映画市場の覇権を握っているのには何の不思議もないということだ。
(eiga.com編集長・駒井尚文)

作品の詳細は以下より。
『崖の上のポニョ』
『劇場版ポケットモンスター ダイヤモンド&パール/ギラティナと氷空(そら)の花束シェイミ』
『劇場版NARUTO ナルト 疾風伝/絆』
『カンフー・パンダ』
『花より男子ファイナル』

マインド・ゲーム

日刊サイゾー的オススメアニメ映画はこれ。

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最終更新:2008/08/11 20:01
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