『ダークナイト』筆頭に“記録的”アメコミ映画が続々上陸!
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今年の全米サマーシーズンはアメコミ映画が市場を熱くしている。米映画界では5月から夏興行がスタートするが、その先陣を切った『アイアンマン』が公開週の週末興行で約1億ドルを突破しボックスオフィス初登場1位。同作は既に累計興収3億ドルを超えて続編製作が決定済み。
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6月には『インクレディブル・ハルク』が約5400万ドルで初登場1位。そして、7月18日に公開された『ダークナイト』は1億5500万ドルという史上最高記録で首位デビューを果たし、公開から10日で累計3億ドルを突破と、アメコミ映画のヒット作が続々だ。
米映画データベースサイトIMDb.comによれば、全米興行史上で3億ドル以上稼いだ映画は現在29本。『アイアンマン』が現在21位、『ダークナイト』が22位にいるが、後者は史上8本目の累計4億ドル突破作品になる可能性も濃厚だ。
『アイアンマン』『インクレディブル・ハルク』は、ともに『スパイダーマン』『X-MEN』などと同じマーヴェル・コミックの漫画が原作。『ダークナイト』は、『スーパーマン』と並ぶDCコミックの人気タイトル『バットマン』のシリーズ最新作。日本では『アイアンマン』は少し遅れて9月27日公開だが、『インクレディブル・ハルク』が今週8月1日から公開され、『ダークナイト』は9日公開だが2~3日にかけて全国で先行上映が行われるので、今週末は今年話題のアメコミ映画を続けて見ることが可能だ。
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『インクレディブル・ハルク』は、怒りなどで感情が昂ぶることで緑色の巨人ハルクに変身してしまう主人公ブルース・バナー(エドワード・ノートン)が、その力を手に入れようと追いかけてくる米軍を相手に、恋人(リヴ・タイラー)を守るため、封じようとしていたその力をあえて利用して戦いに挑むというストーリー。2005年に一度『ハルク』として映画化されたが評判が芳しくなく、間を置いて再度映画化された今作では、アクションシーンが大増量。暴れまわるハルクの力強さと重量感、スピード感は見ているこちらもアドレナリンが全開。夏のアクション大作として申し分ない。
そして『ダークナイト』だ。その記録づくめの大ヒットの要因として、ひとつ間違いなくあげられるのが、主人公バットマンの宿敵ジョーカーを演じているヒース・レジャーの存在。本作撮影終了後、別作品の撮影に入っていた今年1月、薬物の過剰摂取で急逝してしまったヒースが演じる宿敵ジョーカーは、“純然とした悪”そのもの。理屈や理性が通じない、背筋が凍る凶悪ぶりはスクリーンに現れるだけで怖い。法で裁けぬ悪人を夜の闇に倒すが、それ故に自身も法を犯す存在でもあるバットマン(クリスチャン・ベール)。その矛盾や自身の存在意義に悩む彼の前に、熱き正義漢の検事ハービー・デント(アーロン・エッカート)と悪の権化ジョーカーが現れ、映画はこの3者を通して人の善悪などを問う。
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作品としての完成度も高く、ヒース・レジャーには「アカデミー賞助演男優賞を!」という声もあがっているようで、『ダークナイト』は間違いなく今年を代表する1本。これは見逃しておくことは出来ない。ぜひ劇場へ。
それにしてもコミック原作映画が多いのはアメリカも日本も変わらない傾向だが、これらの作品を見ると、大人の鑑賞に耐えうる映画作りにおいては、やはり資本・技術力・人材ともに優れるハリウッドに一日の長があると思わされる。『インクレディブル・ハルク』は肉弾戦、『ダークナイト』は心理的葛藤や恐怖を打ち出し、『アイアンマン』にはコミカルな要素もある。硬軟自在でハイレベルなアメコミ映画と日本の漫画原作映画。その出来栄えを比較してみても面白いかも。(eiga.com編集部・浅香義明)
各作品の詳細は以下より。
『アイアンマン』
『インクレディブル・ハルク』
『ダークナイト』
特典ディスクにはヒース・レジャーのオフショットやインタビューも。
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