サミット開催で注目度アップの「環境銘柄」は儲かるのか?
#株ココロ
発電所も、環境的視点から見ると有望な
事業ということになるようだ
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洞爺湖サミットの主要議題として扱われた環境問題。かつて環境問題といえばボランティア的な精神で取り組むものであって、ビジネスとしては成立しにくいものとみなされていたが、潮目は変わったようだ。地球温暖化が実感されるようになり、また異常気象による災害も増加の一途。原油や穀物の異常高騰も続き、環境対策は性急な課題となっている。
そこで株式市場の新テーマとして注目を集めているのが、環境銘柄だ。環境銘柄といってもさまざまで、火力発電の代替エネルギーとしての太陽光、風力発電関連、水資源の重要性の高まりから中東諸国を中心に需要が高まっている水処理を手掛けるプラント業界、石炭火力発電施設やそのプラントメーカー、CO2排出権取引関連などが話題となっている。また、原油を消費しないという理由で原子力発電関係も今や環境銘柄の一角を占めるようになった。時代は変わったのだ。さらに個別銘柄だけではなく、証券会社では環境保全に力を入れている企業の株式を組み入れたエコファンドも多く販売されている。
では、環境銘柄は儲かるのか?少なくとも言えるのは、環境問題は企業にとって大きなビジネスチャンスであるということだ。エコバッグの流行に見られるように、消費者が環境に関心を持ち始めたのはもちろんだが、政府の環境に対する規制の強化が追い風になってくる。たとえば、来年施行の改正省エネ法では、コンビ二やスーパー、複数の事業所や工場をもつ中小企業なども規制対象となる。政府は空調施設の改修に優遇措置を設ける方針だと報じられており、今後、空調メーカーの需要が高まると期待されている。
当然、世界的にも環境重視の流れは強まっている。国連気候変動枠組条約事務局の試算によれば「2030年時点で温室効果ガス排出量を現在の水準に抑えるためには、世界で2000億~2100億ドル(つまり21兆円以上)の追加投資が必要」としている。また、消費電力が低く寿命が長い白色発光ダイオードの需要が照明用途として今後広まってくると予測されているが、あるアナリストの推計によれば、全世界で21兆円の市場規模になる可能性があるという。世界的な水不足については、現在60兆円の水市場に対し、潜在需要で89兆円、25年には110兆円市場になるという観測もある。
世界的な規模で進む環境シフトに対し、金融情報会社フィスコでリサーチ部門を統括する伊藤正雄統括取締役は、「環境銘柄はすでに上がってきていますが、まだまだバブルとはいえない」と語り、今後も株価上昇の余地はあるとする。経済ジャーナリストの田嶋智太郎氏は、「最近、依頼される取材の内容は環境関連ばかり。サブプライム以降、不動産ミニバブルも弾けた今、株式市場のテーマは環境以外に考えられない」と話す。では、どんな銘柄が有望なのか。続きは『株ココロ』で!
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