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「仕事とは何か」を問う圧巻の群像劇『クライマーズ・ハイ』

cimbers.jpg(C)2008「クライマーズ・ハイ」フィルム・パートナーズ

 すっかり暑くなってきて仕事がダルいなあ……なんて思っている人に見てもらいたい映画がある。1985年8月12日、群馬県・御巣鷹山で起こった日本航空123便墜落事故の真相を追う新聞記者たちを描いた『クライマーズ・ハイ』(公開中)だ。


 映画の原作はベストセラー作家・横山秀夫が、記者時代の実体験をもとに書いた同名小説で、『突入せよ!「あさま山荘」事件』『金融腐蝕列島〔呪縛〕』など社会派ドラマに娯楽性を掛け合わせた作品で手腕を発揮する原田眞人監督がメガホンを取っている。

 御巣鷹山の日航機墜落事故といえば、おそらく70年代以前の生まれの人々には大きな衝撃と共に今も心に残っていることと思う。しかし、注目したいのはこの映画では事故そのものを描くのではなく、あくまで事故を報道する立場にある新聞記者たちの奮闘が描かれている点。「新聞は命の重さを問えるのか?」という命題を前に、大きな壁にぶち当たる主人公の記者・悠木和雅を堤真一が熱演している。

 世紀の悲劇をお涙頂戴に伝えるのではなく、新聞社編集局内というひとつの組織の混乱を露呈させる。情報が錯綜し、各人の思惑が交錯して、必ずしも一枚岩でない会社組織というものの中で、いかに自分の信念を貫くことができるか……。会社勤めの人間なら一度は誰もが感じたことのあるような、また、たとえ勤め人でなくても、己の仕事というものに対して、どこまで真剣に取り組むことが出来るかを、悠木たちの姿を見て考えさせられるはず。

 本作で悠木の後輩にあたる社会部記者・佐山を演じた堺雅人は、映画の記者会見で「本気の男たちは働くだけでかっこいい」と語っていたが、仕事に対して少し気持ちが緩んでいる人は、この映画を見て自身の仕事ぶりを振り返ってみてはいかがだろうか。

koukaku.jpg(C)1995・2008士郎正宗/講談社・バン
ダイビジュアル・MANGA ENTERTAIM
ENT

 さらにもう1本、今週末7月12日に公開される作品でオススメしたいのが、『GHOST IN THE SHELL/攻殻機動隊2.0』。

 宮崎駿と並んで日本のアニメーション映画界を支える押井守監督が1995年に発表した『GHOST IN THE SHELL/攻殻機動隊』を、新作3DCGカットの導入やサウンド面を強化してリニューアルしたバージョンアップ版。先頃公開された『スピード・レーサー』のウォシャウスキー兄弟監督は、『マトリックス』の監督として有名だが、その『マトリックス』に多大な影響を与えた作品として、いつもその名が上げられるのが、この押井守の『攻殻機動隊』なのである。

 しかし、95年に劇場公開された当初は日本ではさほどヒットしておらず、アメリカのビルボード誌でビデオ売り上げ週間ナンバーワンを獲得したことで、そこから“逆輸入”的に知名度が広まった作品。専門用語が多数飛び交うSF世界で“難解な作品”とはいわれるが、13年前の作品とは思えないクオリティの高さは色あせない。世界に知られた日本の才能をスクリーンで見られる良い機会なので、食わず嫌いな人も一度は見てみてはいかがだろう。

skycrowler.jpg(C)2008 森 博嗣/『スカイ・クロラ』製作
委員会

 ちなみに押井監督は最新作『スカイ・クロラ』が8月2日に公開を控えている。(eiga.com編集部)

各作品の詳細は以下より。
『クライマーズ・ハイ』
『GHOST IN THE SHELL/攻殻機動隊2.0』
『スカイ・クロラ』

バウンスkoGALS

日刊サイゾー的には、原田眞人監督といえばこの作品です

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最終更新:2008/07/28 18:38
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