加藤発言の影に北朝鮮レアメタル利権!?
#政治 #自民党 #北朝鮮
7日、日本BS放送の番組内で「拉致被害者は北朝鮮に戻すべきだった」「拉致について謝罪した金正日は天皇陛下のような人」との発言を行った自民党・加藤紘一元幹事長。これに対し9日、北朝鮮拉致被害者の『救う会』『家族会』が抗議声明を発表したが、なぜ加藤元幹事長はこんな「不見識きわまりない」(『救う会』抗議声明より)発言をしてまで北朝鮮との融和を目指すのだろうか。ある政治記者は語る。
「ずばり、北朝鮮の“レアメタル”利権が目的ですよ。北朝鮮は、レアメタルが豊富に産出される国だという調査結果があるんです」
レアメタルとは発光ダイオードやプラズマテレビ、蛍光灯などに必要な「非鉄金属」の一種で、現在世界的に不足が叫ばれている物質である。北朝鮮との国交正常化を進めることで、この利権を手中に収めようとしている者があるというのだ。
今年5月、加藤の盟友である山崎拓元自民党副総裁を会長に、超党派の「日朝国交正常化推進議員連盟」(以下、議連)が発足した。この議連には自民、公明、民主、共産、社民、国民新の各党から約40人が参加し、加藤は民主党・菅直人代表代行、公明党・東順治副代表らと共に、顧問に名を連ねている。会長の山崎は「核、ミサイル、拉致のすべての諸懸案がまったく進展していない。政府を後押ししたい」と述べて議員外交による事態打開を示しているが、連盟の方針に異を唱える議員も少なくないという。
「確かに議連の大義名分は素晴らしいかもしれないが、何しろ彼らは北朝鮮との国交正常化を急ぎすぎているという批判があるんです。北に対して『圧力路線』を取っていた安倍前総裁は、山崎に対し『百害あって利権あり』と真正面から批判した。安倍以外にも、政府内には連盟の“暴走”を危惧する声があちこちで上がっていますよ。議員外交といえば“聞こえ”はいいけれど、要は一部の議員が政府の外交を出し抜こうとしているわけですからね」(前出・政治記者)
6月中旬には、議連の顧問である加藤が森喜朗元首相と手打ちを行った。加藤と森といえば、00年、首相だった森に対して出された不信任決議案に加藤が同調した、いわゆる“加藤の乱”以来の犬猿の仲だったはず。だが、議連の会長である山崎の仲介によって唐突に和解が発表されたのだった。森は福田康夫首相を担ぎ上げた清和政策研究会(旧森派・町村派)の名誉顧問であり、事実上の派閥トップ。加藤と森の手打ちは、そのまま議連と清和との関係強化を示しているとも言われた。
「この手打ちで磐石の態勢と思われた議連に、思わぬ邪魔が入ったんです。先月26日、アメリカが北朝鮮の『テロ支援国家』指定を解除した。このまま米朝の対話が進めば、北朝鮮利権を全部アメリカに持っていかれるかもしれない。今回の加藤発言は、あの議連の連中が相当焦っているという証左でしょう。国内では政権の行方が非常に不透明ですし、何としても福田が首相のうちに結論を出したいところでしょうね」(前出・政治部記者)
「北朝鮮にレアメタルがある」──その説の信憑性は未だ不確かだが、アメリカが対話路線に舵を切ったことから、北朝鮮との間に何らかの莫大な利権が存在する可能性は高まったとも言われる。少なくとも、加藤元幹事長が国民感情を逆撫ですることを覚悟で今回のような発言をする理由が、そこにはあるのだ。
今回の加藤発言は、「人命を外交カードに使っている」という批判を集めた。加藤元幹事長は11日、自らのWebサイトで「前後の文脈を知ってほしい」として弁明のコメントを発表したが、前後の文脈を読んでも彼が「拉致被害者を戻すべきだった」とする発言の主旨に、特に誤解があったとは思えない内容である。北朝鮮との“対話路線”を続ける彼ら、果たして次はどんなカードを切るつもりなのだろうか。
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