今年の夏は『ポニョ』 VS 北京五輪!? 映画興行競争は波乱必至
#映画 #五輪 #スタジオジブリ
『インディ・ジョーンズ/クリスタル・スカルの王国』が順調にスタートを切った。オープニングの成績は、先行上映の貯金を合わせて興収14億円という今年公開の映画で最高のスタート(ちなみに、先行上映の貯金がなければ、『ライラの冒険』、『花より男子ファイナル』を下回る成績)。この先行と公開2日間の数字を見る限り、最終興収50~60億円あたりが予測されている。
ここで、今年の夏休み映画市場を眺めてみよう。まずは、宮崎アニメ『崖の上のポニョ』がラインナップのど真ん中にデンと鎮座している。映画業界の期待を一身に集める宮崎アニメは、この夏の映画の強敵、北京オリンピックに対する最大の刺客でもある。オリンピックやサッカーのワールドカップ、プロ野球の日本シリーズといった大きなスポーツイベントがあると、映画の興行はもろに影響を受けるものだが、こうした国民的スポーツイベント相手でも、国民的映画なら十分戦える。
参考までに、過去の宮崎アニメの興収をお伝えすると、04年の『ハウルの動く城』が196億円、01年『千と千尋の神隠し』が304億円、97年『もののけ姫』が193億円とまさにモンスター級。宮崎駿の長男で映画監督としては素人の宮崎吾朗が、06年に作った『ゲド戦記』ですら興収76.5億円を稼いでおり、宮崎アニメはまさに大ヒット確実の国民的映画と言っても過言ではない。今年の夏休み映画が興行収入で競ったなら、表彰台の真ん中、金メダルは『ポニョ』でまず間違いないのである。では、これに続く銀メダル候補は何だろう?
これが今回の『インディ・ジョーンズ』だというのが、事情通たちの一致した見方だ。まず、洋画の中では話題性、実績、大作感などでもっともポテンシャルが高く、興収50億円以上は最初から確実視されていた。先週・今週のオープニング記録を見る限り、『インディ』のパフォーマンスは予想通りで、銀メダルもほぼ手中に収めたと言える。
一方、銅メダル候補は熾烈な戦いになりそうだ。マツジュン、小栗旬ら今をときめくイケメンたちを並べた『花より男子ファイナル』、ウィル・スミス主演の『ハンコック』、例年40億円近くを稼ぐ『劇場版ポケットモンスター ダイヤモンド・パール「ギラティナと氷空(そら)の花束 シェイミ」』に混じり、『20世紀少年』『セックス・アンド・ザ・シティ』『ハムナプトラ3 呪われた皇帝の秘宝』『カンフー・パンダ』あたりが表彰台を虎視眈々と狙っている。
いずれにせよ、映画人たちのこの夏の共通の願い、それは、「北京オリンピックなんて盛り上がって欲しくない」ということで間違いない。
(eiga.com編集長・駒井尚文)
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