実名登録は浸透するか? 「百式」管理人が語る「Facebook」
#ネット #mixi #Facebook
2004年に始まった米国のSNS・Facebookの日本語版サービスが5月19日にスタートし、先週末で約1カ月が経過した。同SNSは現在全世界でのアクティブ利用者数(72時間以内にアクセスするユザー)が約7000万人と、同じく米国のSNSで世界第1位の利用者数を誇るMySpace(アクティブ利用者数1億人超)に次ぐ順位を占めている。当然IT系メディアでの注目度は高く、日本語版スタート当日には、同SNS創設者で最高経営責任者のマーク・ザッカーバーグ氏の来日記者会見の様子が一斉に報じられた。さて、この米国発のSNS、日本のmixiやgreeとは大きく異なる特徴を持っている。ひとつには、本名での登録を推奨していること。そしてもうひとつは、アプリケーションの豊富さだ。
かつてはmixiも実名での登録を推奨していたが、06年に起きた「ケツ毛バーガー事件」(mixiの男性ユーザーが、ファイル共有ソフトから交際相手の女性の猥褻画像を流出させ、女性がmixiに実名で登録していたため、身元が特定されて問題になった)に代表されるような、画像の流出や日記の炎上などの問題が起きて、匿名化が進行した歴史がある。実名登録を推奨するFacebookは、一体どのようなサービスを展開しているのだろうか? サービスが開始されて1ヶ月たった現在、ネット上では「これは本当に実名で登録して大丈夫なのか」「漢字で入力が出来ないときがあるが、名前をどう書けばいいのか」などと戸惑いの声もあがっている。海外のユニークなサイトを数々紹介してきたブログ「百式」管理人の田口氏はこう語る。
「やはり本名での登録は、今の日本では抵抗があるでしょうね。でもそもそも、本名かどうかはそんなに問題じゃないのでは? 結局のところ、実名匿名に関わらず、リテラシーを守ることが重要なんじゃないでしょうか。それよりもFacebookの売りは、各ユーザーの行動が可視化されている、平たく言えば、『自分の友達と友達が、今日友達になった』とか『今、あの人がこのアプリケーションを使っている』とか、そういうことが見える点でしょう。それが『つながる』ことに通じるんだと思います。それに、SNS内のアプリケーションを普通のユーザーが自分で作ることができる。これはmixiなどではできなかったことですね」(「百式」管理人・田口氏)
つまり、人が持つ「今あの子、何してるんだろう」という興味を利用して、それによってユーザー同士の結びつきを深めることができるということらしい。さらに、豊富なアプリケーションの中には、映画評価を書き込めるものや、YouTubeで気に入った動画をストックして、ほかの人とシェアできるものなど、ユーザーが作ったアプリケーションも数多く存在し、自ら主体的に参加できることが大きな魅力になっているようだ。とはいえ、ネットワークがどんどん大きくなっているFacebook、問題もないわけではないようで。
「とにかく速度が遅いですね。サーバーを移転するとかしないと、事態は深刻ですよ。読み込みに時間がかかりすぎて、使いづらくなっています」(同)
ネット上では、いかに中身が良くても、ページを全部見られるまでに時間がかかるものは敬遠されがちだ。日本語版スタートで、ますますユーザー数が増えることを考えれば、これはまさに死活問題。加えて、筆者自身が使ってみた印象として、日本語版スタートとはいっても、完全にサービスが翻訳されているわけではなく、やはり現時点では英語に堪能でないとやや使いづらい。そのあたりを改善してもらいながら、Facebookが日本のSNS文化に良い刺激をもたらすことを期待したい。
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