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『火サス』風(?)歴史番組スタート 歴史バラエティ隆盛のワケ

nissasu.jpg『日本史サスペンス劇場』公式サイトより

 日テレの『サスペンス劇場』が、“サスペンスの帝王”船越英一郎とともに、帰ってきていた!

 ただし、『火サス』ではなくて、『日サス』(そんな略し方、するかどうかは知らないが)。放送は水曜日、「日」は、「日本史」の「日」である。その名も、『日本史サスペンス劇場』。歴史のミステリーを、再現VTRとクイズによって解き明かしていく番組である。

 タモリの歴史特番『タモリのヒストリーX』(フジテレビ)が好評だったり、テレビ東京系でも『新説!? 日本ミステリー』という歴史ミステリー番組が放映されていたりと、雑学ブームと歴史ブームがちょうどうまくかみ合ったのか、現在人気を集めているジャンルのようである。

 「日テレ」→「サスペンス劇場」→「船越」という、あまりにも分かりやすいコンボからは、「そのまんますぎ」というか、「安易すぎるぞ、日テレ!」という気が、ついついしてしまう。

「かつての看板『火サス』を思いきって終了させたものの、その後この枠はどうもイマイチですね。いまは『おせん』をやってますけど、とにかく視聴率ヒト桁台が多い枠になってしまったんです。枠は違いますけど、『火サス』の幻影というか、『サスペンス劇場』という名を冠して船越さんを起用するというところに、未練があるのかなあという気もしますね」(テレビ関係者)

 番組中で『将軍』とよばれる船越が、歴史の事件に巻き込まれ、それをあざやかに解決してくれるようなものを期待してしまうが、基本的にはクイズの進行と、「歴史は、サスペンス!」という決めゼリフらしき言葉でVTRのフリをするのが船越の仕事。

「どうせ確信犯なら、船越さんに事件を解決してもらったり、CMに入るときに『テテテテ、テテテッテーテー』という『火サス』でおなじみのBGMを流用するくらいの遊びはやってほしいですよね」(前出関係者)

 ところで、歴史ミステリー/雑学番組は、なぜ増えているのだろうか。「会津藩はなぜ朝敵か」「ラストサムライの群像」などの著書をもつ、歴史作家の星亮一さんに聞いた。

「作り手側からすると、たとえば科学的なことに必要な専門知識に比べて、歴史というのは、なじみがあって取り組みやすいというところがあると思います。名前だけでたいていの人が知っている場合が多いですからね。そうなると、見方によってテーマが無数にあるともいえますね」

 外れが少ないというか、ある程度、見込みをたてやすいジャンルというわけだ。

「知っているような話の中で、意外に答えが違っていたりすることに、面白さを感じるのでしょう」(同上)

 その一方で、検証不足や、演出過多といった弊害も生まれてくるよう。先日も、TBSの歴史雑学クイズ番組で、会津若松市の鶴ヶ城落城の理由を「城が不衛生だった」としたことに対して、市から抗議を受け謝罪に至るという事件があったばかりだ。星さんは言う。

「会津の場合も、かつては薩長が正義というような言われ方だったわけなのですが、会津にとっては全く逆ですよね。戦争ひとつとっても、勝った方と負けた方、両方の見方が存在しますからね。厳密な歴史番組ではないのですから、少なくとも答えが2つ3つあるようなものは避けたほうがいいでしょう」

 「日本史サスペンス劇場」でも、「この番組は資料に基づいて脚色しています」というテロップを流しているわけだが、「トンデモ」な方向にいきすぎない程度に、というところか。
(太田サトル/サイゾー公式携帯サイト「サイゾー裏チャンネル」より)

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最終更新:2008/06/07 09:03
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