「規制以前に風前の灯火……」美少女ゲーム業界の辛苦
#アダルト #企業 #ゲーム
「美少女ゲームは青少年の心を破壊し、人間性を失わせる──」そんな主張を繰り広げて、アダルトアニメやゲームの販売規制を請願した円より子参議院議員(民主党)のサイトに、ユーザーからの批判が殺到しているという。
ネットでの批判と聞くと、どれほどの罵詈雑言が飛び交っているのかと穿(うが)って見てしまうが、実際に円議員のサイトを覗いてみると、「議員は表現の自由について、どうお考えですか?」「結局、最近の殺人事件をゲームや雑誌のせいにしたいだけなんじゃないですか?(中略)こんな規制を請願するよりも、もっとちゃんと青少年に向き合ってください」など、冷静かつ論理的なものばかり。中にはハーバード大での青少年犯罪についての研究データや、世界各国のポルノ規制と犯罪発生率を一覧表にして反対の論拠を示す者もあった。こうした批判に対し、円議員はブログを閉鎖し、掲示板にも一切返答の姿勢を見せていない。
メーカー側としては、こうしたネットユーザーの行動は心強いところかと思いきや、実際に話を聞いてみると……。
「正直、議員の今回の発言にはあまり関心がないですね。アダルトゲーム業界は規制云々以前に風前の灯火ですよ。世間じゃ“萌えブーム”なんて言われてますけど、実際アダルトソフトの売り上げは右肩下がりです。一部、アニメ化や非18禁ゲームへの移植に成功しているソフトハウスを除けば、ほとんどのメーカーはいつ倒産してもおかしくない状態なんです」(某メーカー関係者)
いわく、Winnyなどのファイル共有ソフトが普及し始めてからというもの、違法コピーによる被害が後を絶たないのだそうだ。
「正確な被害実数は把握できていませんが、もともと2万本も売れれば大ヒットという小さな業界ですからね。今は、発売前に大金を投じてプロモーションを行っても、発売日にはネット上に製品版と寸分違わぬコピーデータが出回ってしまう。メーカーもデータのプロテクトを強化して、ディスクがないと起動できないようにするなどの対策を講じてはいますが、しょせんはイタチゴッコです。限定グッズや発売イベントの開催などで販売促進を図ろうにも、予算をそちらに回せば制作費が削られてクオリティが落ちる、そしてさらにファンが離れる……悪循環ですね」(同)
実際、シナリオライターやグラフィッカーへのギャラの支払いが滞る例も多く、クリエイターの業界離れも甚だしいのだとか。
「確かに議員の言う通り、ゲームに登場する女のコの年齢が下がっている実情はありますが、メーカー側だってそのリスクは理解してますよ。以前のように王道のストーリー作品が売れないものだから、倒産する前に一度“アブナイ橋”を渡って売り逃げを図ろうとする中小の業者が相次いでいるんです」(同)
昨今、児童ポルノやゲーム・アニメの倫理問題については、各方面で活発な議論が行われているが、実際の制作現場は「それどころではない」という状況。このまま違法コピーの問題が野放しにされれば、アダルトのみならず、PCゲーム業界全体が衰退の一途をたどることになりそうだ。
(サイゾー公式携帯サイト「サイゾー裏チャンネル」より)
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