“イラン・イラク戦争体験者”滝川クリサヘルの苦悩と野望
#テレビ #お笑い #タレント
「日曜朝の、滝川クリステル(日テレ版)」として、「THEサンデー」にコーナー出演。写真週刊誌などでも“クリステルそっくりグラビア”を披露と、話題のイラン人女性タレント、滝川クリサヘルこと、サヘル・ローズ。
そんな彼女が、5月14日放送分の「あらびき団」(TBS系)に登場した。「クリステル漫談」とでもいったらいいのだろうか、本家・クリステル風の髪型とメイク、ファッションで、“斜め座り読み”を再現し、カメラ目線で語りはじめる。
「こんばんは、滝川クリサヘルです。今夜は私クリサヘルこと、サヘル・ローズの信じられない不幸な生い立ちをお送りしたいと思います」
と切り出し、4歳のころ、家族がイラン・イラク戦争の空爆で犠牲になった話、そして、義理の母に拾われ、日本にやってきたという生い立ちを語り、
「次回は、あの『ホームレス中学生』で有名な麒麟・田村さんよりももっと不幸な、私サヘル・ローズの日本幼少期編をお送りします」
と、「次回出演予告」までして、「ネタ」をしめていた。
こんな悲しい話を、笑いに変えることができるなんて、とてもハートの強い女性なんだなあと思っていたところ、実際にはそんなつもりではなかったようなのである。
放送の翌々日、彼女のブログに、「私の気持ちです」というタイトルで、そのあたりの心情がつづられていた。ブログによると、どうやら、そういう形でいじられるつもりで生い立ちを語ったのではなかったそうで、「心に大きな穴が」あいてしまったという。「ネタ」と、カギカッコでくくったのもそのため。
思いとは裏腹に、「家族の死や、不幸な生い立ちで笑いをとるなんて!」と、とらえてしまった人もいる。サヘルファンの間でも、この件で賛否両論の論争が起こったりした模様。
現在の心境はどうなのだろうかと、サヘルの所属事務所を直撃したものの、今回の件では残念ながら取材に協力してもらえなかった。ただ、番組の一件に関してはもう気にすることをやめたらしく、「これからも前向きにがんばっていきます」とのこと。
番組スタッフには、収録の前に彼女の真摯な気持ちをぶつけてから臨んだそうなのだが、番組に出るという以上、当然「笑い」はついてくる。あるテレビ関係者は言う。
「『あらびき』では、世界レベルで活躍する大道芸人の芸にも、それをぶち壊す“実況”をかぶせて、新しい笑いを生み出したりしています。番組プロデューサーも、『演出を見せる番組』といっているようですし、芸人さんたちのネタは素材のひとつで、カメラワークや東野さん、藤井さんのいじりも含めて、ひとつの笑いにしているんです」
今回の場合も、「クリステル目線」でしゃべっている途中に、別位置から映したカットを挿入し(本来ありえない角度)、進行役の藤井隆に「悪意」とつっこまれたりして、それがまた笑いになっていた。
「ですから、番組に出るとなった以上、そういう形の編集をされるというのは、覚悟しておいたほうがよかったですね」
「コンビニでバイトしてたこともあるらしいですし、苦労人なんですよ」(雑誌編集者)など、真面目で「いい子」だという評判も多い彼女。「予告」どおり、滝川クリサヘルの「あらびき団」次回出演があるかどうかは微妙だが、5月からはTOKYO MXの朝の情報番組「モーニングサプリ」でレギュラー出演など、ますます活躍の場を広げそうなサヘルなのである。(太田サトル)
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