もはや“虫の息”の時事通信にダメ押しする共同通信の狙い
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新聞・テレビにニュース提供する通信社といえば、日本では「共同通信」「時事通信」が二枚看板だ。戦前の国策会社「同盟通信」から、戦後すぐに枝分かれしただけに、いまも表向きは“兄弟関係”にある。
「地震などでどちらかがシステムダウンしたらもう一方がサポートするという契約がいまも生きている。それに、中国の新華社や旧ソ連のタス通信みたいな通信社1社態勢では情報の独占を生むので、2社競合は望ましい」と共同関係者。
ところがそんな建前とは裏腹に、最近では共同による、時事潰しとも取れる動きが目立っている。時事が自治体向けに提供してきた情報紙に対抗し、共同も類似のサービスをスタートしたのだ。「新聞への配信シェアは、共同さんのほうが圧倒的。だからうちは、企業や自治体を狙った情報提供がお家芸だったのに」と時事関係者。
時事は毎週発行の情報紙「地方行政」で、企業経営のノウハウを行政改革に適用する試みなどを紹介してきた。こうしたニッチな市場は、時事の数少ない独壇場だった。ところが、そこに的を絞ったように、昨年11月より、地方自治体に食い込んでいる地方紙の情報網を使った自治体向けニュースサイト「47行政ジャーナル」を開始。「地方行政」をしのぐ、圧倒的な情報量で時事を猛追し、ここにきて、「地方行政」休刊の噂まで出てくる始末だ。前出の時事関係者からは、「9年連続の赤字が必至で、その穴埋めのために電通株を大量売却するほどの経営難なのに、なぜ弱い者いじめをするのか?」との恨み節も出てきている。
「こうなると、共同との吸収合併も現実味を帯びてくるのではないか。一部には、年内にも大きな動きがあるといわれている。ただ、国民の利益を考えれば、2社の競合体制こそが健全。時事潰しは、共同のエゴだ」(業界関係者)
昨年は朝日、読売、日経が提携するなど、激動が続くメディア業界。次は、時事の動向に注目が集まる。
(編集部)
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