北京五輪景気で注目の<中国株式市場>動向を探れ!
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波乱含みの北京五輪だが、8月8日の開幕を目前にして、成長著しい中国経済への注目度は増すばかり。そこで今回は、中国株式市場の動向を探った。
中国株情報を日本の投資家に配信する亜州IR株式会社代表・又井郁生氏は、こう語る。
「まず、中国株というと中国本土市場に上場している株と香港市場に上場している株の2種類がありますが、日本人が投資している中国株の9割は香港株です。これまで香港の企業が多く上場していた香港市場で、最近では中国本土の企業も株式を公開しています。その香港市場の動きを探るためには外国人投資家の資金の流れを追う必要があります」
そこで重要になってくるのが、アメリカの株式市場の動向だ。
「今年年初から3月にかけて、香港市場、本土市場とも大崩れしましたが、大きな原因のひとつにサブプライムローン問題に端を発するアメリカ経済の失速があります。ただし、サブプライム問題も3月いっぱいで収束したという見方が有力であり、楽観視はできませんが、今後、香港市場などの新興市場も復活するのではないかと思います」
では、中国の内部要因から見た場合、中国株の先行きは?
「今、中国経済で問題になっているのは、やはりインフレ。原油高や穀物高による物価上昇が製造業、メーカーの成長の重しになっているのは事実。一方で、北京五輪の開催で消費マインドは良好で、消費セクターは堅調に推移しています」
一方、「中国経済、中国株は、政治の動きを知っておかなければ見えてこない」と言うのは、中国をはじめ広くアジアビジネスのコンサルティングを行っている宇田川敬介氏。
「まず、中国株をやろうと思ったら、どうやって中国の株式市場ができたのかを知らなくてはいけません。株式市場をつくる際、もともと中国は共産主義ですから、企業といえば国営企業しかない。そこへ株式市場を作って外資を導入したら、外国資本が共産党員の企業の社長をクビにできてしまう。そんなことは許されないという議論が巻き起こりました。それでできたのが、A株とB株という考え方。A株は中国人だけが取引できる市場で、B株は外国資本も参入できる市場。中国政府は、企業の議決権を占めるのは常にA株になるようにし、政府が、これをコントロールできるような形にしました。外国資本も導入できるB株は、株主としての影響力を行使できないようにしたんです」
このように独特なシステムで成り立っている中国株式市場。「勢いよく回っている共産党というコマの上に建てられたのが、今の中国の資本主義」(宇田川氏)というから、中国株の動向は共産党の趨勢、意向を無視しては語れない。そんな今後の中国政治、経済の流れを探る上で重要なポイント、肝心の銘柄の選び方は『株ココロ』をチェックすべし。
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