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『ヅラ刑事』河崎実監督の新作は、なんと“ヘア”映画!

natukimari1.jpg映画『髪がかり』より ©2008ポニーキャニオン

 姉歯建築士による偽装問題にインスピレーションを得た『ヅラ刑事』、東宝の特撮超大作に対抗した『日本以外全部沈没』など数々の“便乗映画”でスマッシュヒットを飛ばしている河崎実監督。怪獣映画をこよなく愛し、『いかレスラー』『コアラ課長』など着ぐるみ映画を数多く手掛けてきたが、5月31 日より公開される新作『髪がかり』は、なんと芸能界のオシャレ番長・夏木マリ主演のハートウォーミングドラマ。夏木マリ扮するミステリアスな理髪師に髪型を変えてもらった気弱なOL(野波真帆)たちの人生が明るくポジティブなものに変わっていくサスセスストーリーなのだ。

 これまでマニアック路線ひと筋だった河崎監督が、着ぐるみの出ない女性向け映画を撮るとは一体何があったのか?

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開される河崎実監督

「いやぁ、制作・配給のエクセレントフィルムの社長から『ヅラ刑事』を撮った監督なら理髪師が主人公の映画も撮れるでしょうと依頼があったんです(笑)。これまでボクは『いかレスラー』をはじめ自分の撮りたい映画を撮ってきたけど、今回は純粋に職業監督として仕事を受けたわけです。『日本以外全部沈没』や『ヅラ刑事』がヒットして、ボクもけっこうメジャーになってきたということかな」

 夏木マリ、野波真帆、宮地真緒といった知名度のある女優陣に加え、ミュージカル『テニスの王子様』などで女性に人気のイケメン俳優・加藤和樹らメーンキャストも、これまでの河崎作品と異なる新鮮な顔ぶれだ。「そこ、キリヤマ隊長38歳っぽく歩いて」など『ウルトラセブン』を知ってる世代でないとわからないようなユニークな演出をすることで知られる河崎監督だが、今回はどうやらスタンダードな演出に徹したらしい。

natukimari3.jpg映画『髪がかり』より ©2008ポニーキャニオン

「バカ映画ばっかり撮ってるけど、これでも監督として20年以上のキャリアがあるんでね。いつもはプロデューサーと監督業を兼任して大変なんだけど、今回は監督業だけに専念できたんで、ある意味やりやすかった。どんな予算、どんなスケジュールでも面白い作品に撮り上げる自信があるんで、これからもオファーがあれば職業監督としての腕を振るいたいね」

 着ぐるみは出てこないが、逆に得意技を封印したことで、小市民のささやかな変身願望や「人生は楽しんだ者勝ち」といった河崎作品に流れるモチーフが、うまくドラマとして実を結んでいるとも言える。異ジャンルの企画でも笑顔で撮り上げてしまう河崎監督の演出は、まさに“神がかり”的レベルだ。
(長野辰次)

『髪がかり』
配給/エクセレントフィルム 原作/山本甲士『わらの人』(文藝春秋刊) 監督/河崎実 出演/夏木マリ、野波真帆、加藤和樹、宮地真緒ほか 5月31日(土)より渋谷Q-AX CINEMAほかレイトロードショー http://www.ponycanyon.co.jp/kamigakari/

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最終更新:2008/06/06 18:54
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