オリコン訴訟の判決についてのコメント
#音楽 #事件 #雑誌
4月22日、本誌「サイゾー」06年4月号に掲載した記事「ジャニーズは超VIP待遇 !? 事務所とオリコンの蜜月関係」の取材協力者であるジャーナリストの烏賀陽弘道氏を、株式会社オリコンが損害賠償を求めて訴えた訴訟の判決が、東京地裁で下されました。
判決前から指摘してきた通り、当該記事の文責者である「サイゾー」編集部や当時の「サイゾー」の発行元であった株式会社インフォバーンを訴訟の対象とせず、本誌編集部の電話取材に応じただけである烏賀陽氏のみを訴えた今回の行為は、訴訟の名を借りた「言論弾圧」であり、「個人攻撃」「いやがらせ」にほかなりません。
そのことは、オリコンが提訴後の06年12月に出したプレスリリースにある「我々の真意は損害賠償を請求することではありません」「烏賀陽氏に『明らかな事実誤認に基づく誹謗中傷』があったことを認めてもらい、その部分についてのみ謝罪をしていただきたいだけです。その際には、提訴をすぐに取り下げます」といった記述からも明らかです。また、オリコン社内の特定の人間が烏賀陽氏に抱いた感情の発露として、このような不条理な訴訟が起された可能性が極めて高いという情報も得ています。
こうした、企業という力を背景にした個人への「恫喝訴訟」は、決して許されるものではなく、そのような行為がメディアの取材活動や社会全体に与える萎縮効果は、表現の自由が保障されている我が国の根幹を揺るがすものです。
さらに、今回の訴訟で真実性が争われた「オリコンの音楽チャートの信頼性への疑義」に関する各点については、烏賀陽氏のみならず、本誌編集部もその真実性および真実相当性の立証には自信を持っており、いくつかの根拠は法廷でも明らかにされました。
そうした中で、烏賀陽氏にオリコンへの賠償金の支払を命じる一方で、オリコンの提訴の不法性を問うた烏賀陽氏の反訴を退けた今回の判決は、事実や社会への影響などを無視した、承服しがたいものです。このような判決を容認し、企業や権力側に同様の手口を用いることを許せば、本誌のみならず、あらゆるメディアの取材が過度に制限され、それに協力する善意の情報提供者も存在しえなくなります。そんな危険な状況を、メディア企業でもあるオリコンがつくりだそうとしていることが不可解でなりません。
本誌は今回の判決を受け、すでに控訴する方針を固めている烏賀陽氏を支援する形で、オリコンの「言論弾圧」行為を糾弾しつつ、本サイトおよび「サイゾー」にて、提訴の不当性や当該記事の正当性、真実性を引き続き訴えてまいります。
裁かれるべきは、オリコンである!
(2008年4月22日 サイゾー編集部)
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