「新興市場」「ITベンチャー」に光明はあるのか?
#金融 #経済 #株ココロ
一時はITベンチャー・ブームで活況を呈した新興市場の株価が下げ止まらない状況だ。しかも下落は長期にわたり、とうとう2年を過ぎて、東証マザーズ指数は、01年の指数算出以来の最安値が迫っている。
06年1月のライブドアショック以降、投資家の不信感は新興市場全体に広がり、ほぼ全銘柄が売られて株価は下げ続けた。
「昨年の夏には、“新興市場は悪材料が出尽くした。信頼も取り戻しつつあり、年内に1回、上昇気流が吹くのではないか”という声も上がったのですが……」(ファンドマネージャー)
実際、10月にミクシィをはじめ時価総額の大きい銘柄が急騰したが、結局長続きはせず、一瞬の吹き上げに終わった。
「外国人投資家が買い上げたのですが、最初から短期投資目的だったみたいですね。これに個人投資家が続けば盛り上がったのでしょうが、市場にそれだけの好材料がなかった」(証券関係者)
結局、ライブドアショックで傷ついた個人投資家は参戦できず、年末へ向けて株価は収束、年明け後は東証1部市場に引きずられて下げ続けている。
長期下落の要因は、第一に、03年以降の新興市場バブルを牽引したITベンチャーを中心にした「新興企業群」が、成長鈍化と、そして刑事事件化の危惧にさらされ、「新興企業の終焉」とまでいわれていることにある。
00年のネットバブルに続き、03年に新興市場が急騰した。ライブドア、楽天、USENなどの若い起業家が率いる企業が、積極的なM&Aによる拡大の夢を描いて代表銘柄となったのは、記憶に新しい。
しかし今、ライブドアは説明するまでもなく、楽天は成長が止まり、USENと共に有利子負債が重くのしかかる。人材派遣では、東京地検案件と言われるグッドウィルと共に、フルキャストの周辺も騒がしい。また、楽天やGMOの信販事業進出の失敗に象徴されるように、新興企業の金融事業進出はことごとく失敗した。サイバーエージェント、テイクアンドギヴ・ニーズなど、どこを見ても色あせて見える。
第二に、新興市場は新たな企業が次々上場するが、ヒルズ族に代わり、期待を演出できる企業が現れないことだ。
「新興市場の新たなリード役に育つと期待されるのはミクシィです。しかし、業績は伸びていますが、上場した時に調達した70億円は銀行に預金したまま。新たな戦略が見えず、これでは成長への期待が盛り上がらない」(前出・ファンドマネージャー)
特に新興市場は「期待」で買われる。ただし、M&Aによる拡大へ走ったライブドアや楽天と同じ演出は、もはや通じない。
では、次の期待はどのように演出されるのだろうか? 今回の調査隊は、そんなお堅いテーマに取り組んだ。下げ止まらない「新興市場」「ITベンチャー」に光明はあるのか? 続きは『株ココロ』にて。
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