一流ファッション誌「zino」休刊の真相
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4月4日、富裕層向け男性ライフスタイル誌「zino」(KI&Company)と同誌のウエブマガジン「@zino」がそれぞれ休刊、休止することが決定した。「zino」といえば、雑誌「レオン」(主婦と生活社)の「ちょいワル」(笑)なる造語で出版界を席巻した岸田一郎氏が手がけたメディアである。だが、今回の休刊・休止について、広告業界では「やっぱり」との声が上がっているというが……。
「話題性は少なからずあったものの、走り出しがマズかった。創刊号で笑福亭鶴瓶を表紙にしたときも、『鶴瓶がこんなにカッコ良くなる』というアイデアは面白かったけど、クライアントからは賛否両論。またクロスメディアでウェブの展開を目論んだものの、立ち上げ当初からアクセスは伸びなかったようです」(大手広告代理店社員)
その後、リニューアルし、外国人モデルや中田英寿を表紙に据えるものの、部数やアクセスは低迷の一途、生活情報サイト「オールアバウト」が買収し、テコ入れをはかったが苦戦は続いたようだ。
「業界では、買収されたころから『そろそろ休刊・休止か』という情報が流れました。今後オールアバウトでは、岸田氏と『@zino』のシステムを活かして新たなメディアを立ち上げる予定だと聞きますが、岸田氏のパーソナリティがウェブに合致しなかったことは明らかなので、もし同様の富裕層向けサイトを構築するのであれば、あまり期待できないかもしれませんね」
『レオン』の5、6万部という発行部数では、岸田氏のコンセプトが熱烈な支持を得て、1号あたり数億円の広告費を捻出したようだが、読者が不特定多数のウェブではそうはいかなかったというワケだ。
「そもそも『レオン』では、通常20%という代理店へのマージンが30%に設定されていたそうです。そのため、代理店も率先して同誌に広告を出稿し、プチバブル状態となったのでしょう。ですが『zino』では、広告売り上げありきで立ち上げるも、その手法も通用しなかったようですね。結局、休刊・休止時の赤字はトータルで3億円だと言われています」
広告への依存を高めた結果の顛末だが、「リッチーノ」(=洒落金男)なる“秀逸”な造語を浸透させようとした岸田一郎氏、そのセンスをぜひとも他メディアでも発揮してもらいたい。でも、個人的に「イカした鶴瓶の表紙」は好きだったんだけどなあ……。
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