「メガ文字」はクビ切り戦略? 紙面改革も、続く記者たちの受難
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新聞各紙が、「メガ文字」の使用に相次いで乗り出している。高齢化する新聞読者に対し、文字を大きく太くして読みやすくさせるための紙面改革で、3月31日には読売新聞と朝日新聞の紙面にも導入された。読売では一文字あたりの総面積は23パーセントも拡大したということで、「文字が目に飛び込んでくるよう」と読者の評判も上々のようだ。しかし一方で、この改革に危機感を覚えているのが社内の記者たちだ。
「メガ文字導入の背景には、記事の出稿量を減らしたいという社内幹部の思惑があります。文字を大きくすれば、その分紙面に入れられる記事の量も減り、飽和状態になっている記者を体よく切り捨てることができますからね。魂胆が見え見えですよ」(某全国紙記者)
確かにこのやり方なら、“読者のため”という名目をうまく利用しながら自然と記事数を減らすことができ、取材経費や人件費もカットできる。正面から記者の切り捨てを行うよりは、社内の反発も少ないかもしれない。しかし、現在の新聞業界はそこまでして財政を切り詰めなければならないほどヤバイ状況なのだろうか。ある大手紙社会部記者は「うちの会社は取材での飲食を伴う経費は1回あたり2000円まで。こんなんじゃ、ネタ集めにかかる費用がすべて自腹になりかねない」と憤る。また、「タクシー代を経費精算できないので、他の会社の記者に『あいのり』させてもらっています」(別の全国紙記者)と、経費を切り詰めながら特ダネ探しをしている記者も少なくないようだ。
社団法人である共同通信社でも事情は同じ。「昼間は基本的にタクシーの使用は禁止」など、経費の締め付けは年々厳しくなっている。先月などは、同社の元社会部記者が、タクシー代金を不正請求していたことが発覚し、4月1日付で社会部勤務から別の部署に転属をさせられた。関係者によれば、この記者は昨年5月から12月の間、帰宅の際に、午前0時以降しか使用が認められていない深夜帰宅用のタクシーを時間を繰り上げて使用し、自社に代金を不正に請求していたというのだ。総額は数百万円にも上る計算だ。「この記者は不正の発覚を恐れて、タクシー会社を自ら訪問し『会社からの調査が来ても黙っていてほしい』と口裏合わせを迫ったと言うのです」(前述の関係者)
なんとも情けない話だが、新聞社・通信社の厳しい現状を如実に表した一例といえるかもしれない。たとえメガ文字が読者に受け入れられようとも、記者たちに安堵の日々が訪れるのはまだまだ先になりそうだ。
(高田学)
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