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ヒラリーでもオバマでも“市場開放”の悪夢再び!?

 ヒラリー・クリントンとバラク・オバマの2人がデッドヒートを繰り広げる、アメリカ大統領選の民主党指名候補争い。共和党の指名獲得が確実なジョン・マケイン上院議員は急速に支持を落としており、このままの情勢が続けば、ヒラリーかオバマかの違いはあっても、8年ぶりに民主党政権が誕生する可能性は高い。

 実際、アメリカ国内のみならず日本でも、リベラル層を中心に、変革イメージのある民主党政権のほうが好意的に受け止められている。しかし、米国事情に詳しいエコノミストは、「民主党が政権を握れば、日本経済に危機的な状況さえもたらしかねない」と警鐘を鳴らす。

 そもそも民主党は、労働組合や農家などの中・下流層が支持基盤で、中流・富裕層の厚い支持基盤を持つ共和党と比べると、さまざまな団体の思惑を束ねた寄り合い所帯的な政党。このため、各業界のロビー活動によって政策が左右され、国内向きの保護主義的政策を取ることが多い。言うことを聞かない国には、米国内法に基づく一方的な制裁措置さえ辞さないこともあるのだ。

「経済に関していえば、共和党は穏健で、民主党は超わがまま。『共和党は戦闘機で殴り込むが、民主党はグリーンバックス(ドル紙幣)を持って他国の市場に殴り込む』なんて揶揄もあるほど」(前出のエコノミスト)

 日本にしてみても、民主党政権には苦い思い出が多い。クリントン政権(93~01年)は、市場拡大を希望する米国企業の要望から、日本に対して市場開放を要求。とりわけやり玉に挙げられたのは保険業界で、特に、売れ筋の医療保険などについては、外資系保険会社のみしか取り扱えないといった「逆規制」をかけられている。

 当時を知る生保会社幹部は、「規制緩和で外資系生保の参入が激しくなり、過度の競争が持ち込まれた。この先、経営悪化で破綻する保険会社が出る可能性もある」と憤る。サブプライム問題で疲弊したアメリカ経済界が、その穴埋めを日本市場に求めてくる可能性は高く、再び〝市場開放〟の悪夢にさらされる危険性もありうる、というわけだ。

 実際に民主党政権が誕生すれば、日本政府としても外圧に対し立ち向かわなければなるまい。しかし、立ち向かおうにも交渉のパイプさえない、というのが、今の日本の実情だ。

「小泉政権以降日本は共和党にべったりで、民主党と太いパイプのある政治家や官僚は少ない。これでは、民主党政権との交渉を有利に進めるのは非常に困難な状態」(政界関係者)

 せめてオバマが当選すれば、「同姓」で話題となっている福井県小浜市の経済ぐらいは活性化されるかもしれないが……。
(千代田文矢/「サイゾー」4月号より)

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最終更新:2008/06/17 19:12
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