狙いすぎ!? 疑問の声あがる“新東京タワー”の名称候補
#地域
「東京EDOタワー」、「東京スカイツリー」、「みらいタワー」、「ゆめみやぐら」、「ライジングイーストタワー」、「ライジングタワー」……さて、これらは一体何の名前でしょう?
実はすべて、2011年12月に墨田区に完成予定の新しい電波塔の名称候補なのだ。昨年10月から名称を公募し、全国から寄せられた1万8606件の候補の中から学識者らによる会議で絞り込まれたこの6案が、19日に発表された。この6つに対して4月1日から5月30日まで投票を受け付け、6月には、最も投票数が多かった名称に決定するとのこと。
それにしても、この6つの名称候補は、どれも少々個性的に過ぎるように思われる。発表直後からネット上でも、「ピンとこない」「なぜわざわざ分かりにくい名前に」など、疑問の声が上がっていた。なかには「こんな名前だったら、結局忘れて『新東京タワー』って呼ぶ」「『E電』(編註:国鉄民営化に伴い、「国鉄電車」の略称である「国電」に代わるものとして、現JR東日本が決めた愛称。普及しなかった)の二の舞」とまで言う人も。一般的にはメディアなどでも「新東京タワー」と呼ばれていた新電波塔、なぜそのまま「新東京タワー」ではいけないのだろうか?
この新電波塔は、1958年完成の現東京タワーに替わる機能を果たすものとして、2011年に完成を予定している地上波デジタル放送用の電波塔である。現東京タワーは、建てられた当初よりも周囲の建物が高層化したせいで、電波障害などの問題が増えてきており、また、11年7月24日に地上デジタル放送に完全移行するにあたって、現状では高さが足りないことが判明した。そこで新タワーを設立することになったのである。
名称については、2000年代初頭に建設地域が墨田・台東エリアに落ち着いたあとは、一時的に「すみだタワー」という名前がプロジェクトホームページでは使用されていたが、新聞・テレビといったメディアをはじめ、一般には「新東京タワー」と呼んでいた。
「私どものほうでは『新東京タワー』と呼んだことは一度もございません。仮称は『新タワー』です。すでに存在している東京タワーの名前に“新”をつけただけでは、何もオリジナリティがないですし、新タワーのコンセプトをあらわすには不足だと考えており、名称として使用することは考えておりません」(新東京タワー株式会社・広報課)
でもこの6つはちょっとオリジナリティありすぎなんじゃ……。この絞込みを行った「新タワー名称検討委員会」には「港のヨーコ・ヨコハマ・ヨコスカ」などで有名な作詞家の阿木燿子氏、言語学者の飯田朝子氏らが名前を連ねている。「選ばれた6つの候補は小説のタイトル、歌のタイトルになりうると思います」と阿木氏はコメントしているが、現状の反響を見ている限り、一般人には“学識者”らの感覚は理解できないようである。
ほとんど決定していた都営地下鉄の名称「ゆめもぐら」を、石原慎太郎知事の鶴の一声で「大江戸線」に変更した例もある。今回の公募がすべて無に帰してしまうことのないよう、もう一度冷静になって名称を選別してもらいたいものだ。
(編集部)
【関連記事】 盆栽に血税5億円! 伝統をめぐって論争勃発
【関連記事】 中国製ギョーザ食中毒問題で、あの有名女神像がピンチ!?
【関連記事】 ゴミだらけでも大丈夫!? 富士山の世界遺産登録をめぐる諸問題
サイゾー人気記事ランキングすべて見る
イチオシ記事