食傷気味のアイドル界に一石を投じる写真集
【推薦人】 宅 八郎(オタク評論家)
宅 この『東京コス楽園』は、興味のない人が読むと、「???」となることかな(笑)。スタイルのいいグラビアアイドルが被写体というわけではなく、実際に会うことができるコスプレ好きの女の子をモデルに、秋葉原などの街で撮る、という低予算な作りもいいですね。なんていうのかな~、非常に萌えます(笑)。
──なるほど。さて、グラビアアイドルの話がでましたが、最近では誰に注目されていますか?
宅 今のアイドルにはどれも食傷気味で、所属事務所と広告代理店によるマーケティングでつくられた感じがするから、見ていてあまり興味を引かれないね。そういう意味だと、この写真集は新鮮だよ……。あ、ヤバい本で1冊思い出した! 奥崎謙三(1920~2005)の自費出版本(81年刊行)です!!
──奥崎氏というと、昭和天皇にパチンコ玉を打って不敬罪で捕まった……。
宅 そう! 彼の自費出版本を持っているんですよ。偶然入った古本屋で見つけて、衝動買いしました。タイトルもイっちゃってて『田中角栄を殺すために記す』っていうもの。ボクが出会った、今の日本に存在する書籍の中で一番ヤバいんじゃないかな?
──間違いなく、流通もできないようなタイトルですよね。ちなみに内容は?
宅 文章を読んでも、さっぱり理解できないんですよ。おそらく、奥崎氏の脳内にある政治的思想をまとめた本だと思うんだけど。でもその本の中でも最もヤバい部分は、タイトルでもなく内容でもなく、奥付なんだ。奥崎氏は、バッテリー販売店を経営していたんだけど、奥付にそのたぶん自宅兼販売店の住所が書いてあるの。右翼の方々の抗議とか、大丈夫だったのかな? 「サイゾー」でも“ヤバい本”っていうくらなら、この本を大々的に取り上げてみてはどうですか?
──……遠慮しておきます……。
『東京コス楽園』
「人気アキバ系アイドルやコスプレイヤー、パフォーマーが多数登場!」(帯より)の文言通り、秋葉原を中心に活躍するコスプレイヤーを被写体として収めた、最新の秋葉原コスプレ事情を投影した写真集。(
高橋祥光/グラフィック社/2625円)
宅 八郎(たく・はちろう)
1962年生まれ。アドバタイジング・ディレクター。元ホスト、DJ、ミュージシャン、オタク評論家など、その活躍は幅広い。現在はDJやバンドなどの音楽活動で全国を回る日々。
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