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返り血を浴びて暴いたアルゼの闇を見よ!

20080312_pachinko.jpg『パチンコ業界のアブナい実態』
紙の爆弾特別取材班/鹿砦社/1470円

【推薦人】 山岡俊介(ジャーナリスト)

 本書を出している「鹿砦社」社長 ・松岡利康氏が逮捕されたのは、2005年7月のことだ(懲役1年2月、執行猶予4年確定)。マスコミ人が名誉毀損容疑で逮捕されたのは、創価学会を批判した「月刊ペン事件」以来、実に三十数年ぶり。しかも1 2日の長期勾留というのは、戦後初のことだろう。近い将来の本格的な言論弾圧への布石として、まず同社が狙われたことは明らかだ。ところが、大手マスコミは「暴露本」出版社ゆえの特殊例で片づけ、松岡社長を見殺しにした。

 逮捕の報を聞いた時、私はホテル暮らしだった。自宅を放火され、焼け出されたからだ。「“同志”が続けざまにやられた!」と、直感的に思った。私の場合の敵は未だはっきりしないが、松岡社長の場合は明らかだ。ジャスダック上場の大手パチスロメーカー「アルゼ」が刑事告訴しており、それを受理しての逮捕だったからだ。

 本書は、松岡社長逮捕の間も出し続けた同社月刊誌「紙の爆弾」に連載された、アルゼはもちろん、パチスロそしてパチンコ業界全体も含めた「30兆円の闇」に真っ向から切り込んだものだ。既存のマスコミが圧力を恐れ、どこも本格的な調査報道をしない中、まさに体を張ってレポートしているのだから、これは面白くないはずがない。

 本書を読めば、アルゼの社長(松岡氏逮捕当時)に警察庁キャリア(元参議院議員)が天下っていたのは、ある種、必然だったと納得できるはず。大手マスコミは、この「暴露本出版社ごとき」の爪の垢でも煎じて飲んでほしいものだ。

山岡俊介(やまおか・しゅんすけ)
1959年生まれ。ジャーナリスト。政官財、マスコミ界に巣食う巨悪の癒着を取材し、有料ウェブマガジン「アクセスジャーナル」で日々記事更新。

『パチンコ業界のアブナい実態』
紙の爆弾特別取材班/鹿砦社/1470円 鹿砦社社長逮捕と長期勾留のきっかけとなった、アルゼ名誉毀損刑事裁判に異を唱える。天下りが公然と行われている警察とパチンコ業界の蜜月関係や、30兆円ともいわれるパチンコ産業の金の行方を追う。「紙の爆弾」誌上でアルゼの闇を現在も追及し続ける、鹿砦社の闘いの歴史も振り返った。

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最終更新:2008/05/21 22:34
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