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マルサも動いた! ”財界トップ”キヤノンの黒い疑惑(前編)

 国会議員の摘発まで期待された防衛省スキャンダルだったが、山田洋行絡みの摘発が一段落すると、早くも尻すぼみの様子。そんな中、捜査当局が次に狙いを定めたのは、代表取締役会長が日本経団連のトップを務める日本屈指の企業「キヤノン」だった。

 マルサに加えて、特捜部まで乗り出した「大捜査網」が敷かれる中、彼らがあぶり出そうとしているキヤノンの黒い疑惑とはなんなのか? その全貌をリポートする。

 脱税事件に揺れる日本経団連の”会長企業”キヤノン。ゼネコン最大手「鹿島建設」が、キヤノン大分工場建設を受注するため5億円もの裏金を、日本経団連会長でもあるキヤノンの御手洗冨士夫会長の周辺者に提供したという大スキャンダルが噴き出したのは昨年暮れのこと。週刊誌が相次いでこの問題を追及し、いやが上にも盛り上がりを見せようとしている。

「実は、国税当局ばかりか、検察当局もすでに捜査に乗り出しています。懸案だった防衛汚職の政界ルートがどうもうまく進展せず尻すぼみしそうな中、一気にキヤノン事件へシフトしそうな勢い。財界トップ企業の不正に切り込む、これまでにない合同捜査が始まろうとしているんです」(司法記者)

 マスコミがこのスキャンダルに血眼になっているのは理由がある。大分の建設工事を調べるため、わざわざ東京国税局査察部、つまりマルサが動き出したからだ。国税担当記者の話。

「今回、国税当局は2つの調査チームを投入しています。まず、大企業の税務調査をする東京国税局調査部が鹿島に入りました。本社、福岡支店、大分営業所のそれぞれの資金の出し入れと決裁の流れを精査しています。一方、査察部は御手洗氏の側近と位置付けられる大賀規久なる人物をターゲットに家宅捜索しています。通常、調査部と査察部が一緒に調べに入ることはありえない。漏らすことなくカネの流れを調べ上げようという異例の捜査態勢です」

 これまでの調べによると、鹿島はコンサルタント会社「大光」(大分市)の大賀規久社長に受注工作を依頼。鹿島から30億円もの使途不明金が流出しており、このうち5億円が裏金として大賀社長サイドに渡ったようだ。大賀社長は工場用地の造成と工場建設を鹿島が受注できるよう、キヤノンと大分県側に働きかけたとみられている。

「鹿島は大賀サイドに裏金を提供したこと自体、いまだに認めていないんです。とりあえず、そこだけでも認めれば『交際費』扱いとなり、40%の上乗せ課税で済むはず。なのに頑なに証言を拒否していますから、その倍以上のペナルティ課税を食らいました」(前出・国税記者)

 それもそうだろう。御手洗会長と大賀社長は表裏一体の関係にあり、少しでも口を開いてしまえば、この裏金が「御手洗あて」に提供されたという鹿島の意図を認めてしまうことになりかねないからだ。

「大賀氏の兄は、大分の佐伯鶴城高校で御手洗氏と同級生であり、もともとキヤノン社員として人事畑などを歩いた人物。そして、彼がパイプ役となり、弟の大賀氏がキヤノンに食い込み出したのです。その結果、大光は、キヤノン本社周辺や川崎、宇都宮の各キヤノン施設の建設工事に下請けとして入っているし、大分にあった大光の社有地はキヤノンにわざわざ買い上げてもらっています。キヤノン本社役員室には、大賀氏が納入した備品まであるといいますからね」と話すのは、本件について全国を飛び回ってきたという社会部記者。

「しかも、横浜市内にある御手洗邸は、大賀兄弟の会社が用地確保から設計・施工までを受け持っているし、ゴルフも食事も一緒の間柄なんです」(同)
(編集部/後編へ続く

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最終更新:2009/04/28 23:47
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