共同記者が中国当局に拘束!! ギョーザ事件のスケープゴートに
#海外 #事件
日中の外交問題にまで発展した中国製ギョーザ中毒事件に、思わぬトラブルが持ち上がっている。日本を代表する通信社「共同通信」の特派員が、問題の農薬「メタミドホス」を購入、所持したとして身柄を拘束され、格好の日本バッシングが中国国内で展開されているのだ。
これは、中国国家品質監督検査検疫総局の魏伝忠副総局長が2月28日の記者会見で明らかにしたもの。同局長は「河北省の関係当局が、日本の通信社の記者がメタミドホスを購入、所持、携帯し、持ち出そうとしたため摘発した」と発表。
メタミドホスは07年1月から中国国内で使用禁止となっており、「翌08年1月以降は特定の工場を除きすべての生産、販売、使用、所持、運搬行為が重大な違法行為となっている」と同局長は重ねて述べ、重大な犯罪に共同特派員が手を染めたと強調することを忘れなかった。
この発言が、ギョーザ中毒事件の「日本人混入説」を煽ることになり、中国メディアが一斉に騒ぎ出した。「いち早く報じたのは、国営の新華社ネット版をはじめとするネットメディア。なかには、ギョーザ事件の容疑者捕まる、とまで言い切るメディアも登場する始末。日本バッシングの格好のネタを提供してしまったのです」(大手紙デスク)
共同通信社が各メディアに説明しているところによると、中国総局に所属するこの特派員は2月15日、毒入りギョーザを製造した工場がある河北省から北京市内の中国総局に帰る途中に検問で止められた。車の後部座席からメタミドホスの瓶が見つかったため、3時間にわたり拘束されて事情を聴かれたという。同社の伊藤修一編集局長は「河北省の工場周辺でメタミドホスが入手可能かどうか検証するために購入したと聞いている。取材上の行為が中国の法律に反したことは遺憾だ」とコメントしていた。
ここまでの経緯をふまえると、この記者の狙いが浮かび上がってこないだろうか。事情を知るある共同通信関係者が打ち明ける。
「中国側がいかにメタミドホスを厳重管理しているとアピールしようと、実際にはいとも簡単に購入できることを報道しようとしたわけ。実際に買い込んだうえ、これを北京総局で撮影して写真入りで報じるつもりだったんですよ」
購入者がいる以上、販売者も糾弾、摘発されるべきなのに、魏局長からは一切の言及はなかった。とすると、これは一体、どういうことなのか。前出の関係者は「中国に不利な報道をしないかどうか、日本人記者は中国公安当局にいつも尾行されているんです」と実情をこう打ち明ける。
「中国入りした日本人記者は、まず最初の3カ月間、公安の尾行要員にピッタリマークされます。電話、メールも全てチェックされているんです。ここはまだまだ社会主義の旧態依然とした国ですから」
なかでも共同通信は徹底的にマークされている。「共同は02年に、中国・瀋陽の日本総領事に脱北者家族が亡命を求めて駆け込んだところを引きずり出した中国公安当局の様子をビデオカメラに収め、中国の人権弾圧ぶりを全世界に配信しました。このときのことをいまだに恨んでいますからね」(同)
中国のどこでも入手可能なメタミドホス。その実態を知られたくない中国公安は、今度は暴露取材を試みた記者の後を付け、いかにも検疫所で初めて発覚したかのように記者を身柄拘束し、報道を妨害したというわけだ。
一部の日本メディアでも、まるで中国メディアに同調するかのように、身柄拘束された特派員が遊び半分で農薬を購入したかのようなイメージで報じていた。それを読んだ読者の間からは「中国にバッシング材料を提供するとは、なんてバカなことをするんだ!」とネット上で“国賊”議論が沸騰中。だが、よく考えてみるといい。日中の警察当局者が激しくせめぎ合っているのを指をくわえているだけで、真相を暴こうとしない日本メディアの特派員たちこそ、“国賊”ではないのだろうか。
(編集部)
【関連記事】 内調職員が衝撃告発「日本はスパイが支配中!」
【関連記事】 後を絶たない食品偽装で焼け太った役人は高笑い!?
【関連記事】 『ニュース23』新キャスター決定の裏に、共同通信の内部対立!
サイゾー人気記事ランキングすべて見る
イチオシ記事