女性初大統領vs黒人初大統領 性・人種差のもたらす影響(後編)
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昨年は黒人差別に関するニュースの「当たり年」で、過激なラジオ司会者のドン・アイムスが、ルトガー大学の女性バスケットチームの黒人女性のメンバーを“nappy-headed hos”(ちぢれ髪の娼婦) と呼んで解雇されたり(後に復職)、超人気ドラマだった『隣のサインフェルド』のコメディアン、マイケル・リチャーズがコメディクラブで野次った相手にNで始まる黒人差別的な暴言、「N-ワード」を繰り返し投げつけた光景がユーチューブで流され、激しく非難された。彼は後に謝罪している。この事件のあと、NY市議会はNワード禁止令を議案可決し、他の市も似た方法を可決するという「N-ワード騒ぎ」が相次いだ。
そしてノーベル文学賞受賞者の英女性作家ドリス・レッシング氏が、「オバマ氏が大統領になったら暗殺されるだろう」などと物騒な警告をしており、彼の身辺警護は非常に厳しいものになっていると報じられている。
最終的に共和党のマケイン氏と対決するのがオバマ氏になるのかクリントン氏になるのかという話題や、この2人でタグを組む「ドリームチケット」で本選に臨むのが良いという話題も増えている。クリントン元大統領もワイオミングの集会で都市部に強いオバマ氏と農村部に強いヒラリーが組めば良いのではないかと話したとCNNが伝えている。また、誰がマケインに勝てるのかに焦点が絞られるだろうとも予想されており、オバマ氏もクリントン氏も自分こそがそうだと1歩も譲らない。本選での予想はメディアによってオバマ氏の方が有利だ、いや、クリントン氏だとまだ一本化していないが、共和党としてはクリントン氏の方が戦いやすいと考えているようだ。
本選でのマケイン氏との一騎打ちでは、人種差による影響は出てくるのだろうか。ウィキペディア「Red States and Blue States」には2004年のブッシュ対ケリーの人種別投票率が示されているが、ブッシュの11%に対して88%とダントツに黒人票を集めたケリー氏がブッシュに負けたという経緯がある。
これからは、スーパー代議員の動向も気になるところだ。共和党が強い、いわゆるレッド・ステイツでの票を多く集めたオバマ氏か、民主党が強いブルー・ステイツの大票田で勝ったクリントン氏に投票するのか、それとも単純に代議員総数の多い方を推すのか、混迷する民主党候補者選びは6月3日の最後の予備選を経ても決着せず、8月の党大会までもつれ込むとの見方も強まっている。いずれにしろ、クリントン氏が強いと言われるペンシルバニア州の予備選の結果(代議員数188)に注目したい。
(セリー真坂)
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