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株安は外資排斥のせい!? 不景気の要因は国内にあり

20080229_burudog.jpg外資系ファンドを辟易させた(!?)、ブルドッ
クソースの本社ビル

 米国のサブプライムローン問題で大混乱の国内株式市場。だが、ある大手銀行幹部は、「それは単なるきっかけに過ぎず、実は、日本株を買い支えていた外資系投資ファンドが日本から逃げ出していることこそが原因。つまり、日本自身が招いた危機だ」と指摘する。

 バブル崩壊後の日本経済は、ボロボロに傷ついた国内金融機関が市場から資金を引き揚げる中で、外資系投資ファンドなど海外の資金を積極的に招き入れ、体力の回復を図ってきた。外資にも平等に門戸を開くこの動きのピークが、“小泉構造改革”であったわけだ。しかしその後日本は、大企業を中心に景況感が回復。これを機に、外資を追い出す動きが顕著になっていた。その好例が、昨年外資関係者に衝撃を与えた「ブルドックショック」である。

 これは、米系投資ファンドのスティール・パートナーズが、国内大手調味料メーカー・ブルドックソースに敵対的TOBをかけた際、ブルドックが買収防衛策を導入し、さらには裁判所もそれを認めたことを指す。
「確かにスティールのやり方は強引だった。しかし、スティールを叩き続けた日本の財界、司法、政治、マスコミもやりすぎではなかったか。これで、外資関係者に、『日本市場でビジネスをするのはリスクが高い』という認識が高まった」(ファンド関係者)

 外資系ファンドに詳しいエコノミストも、「日本経済には、外資の資金なしでやっていく体力など、まだないんです。なのに、少々体力が回復しただけで、『外資憎し』で排斥の動きが広がった。幕末に『異人憎し』で在日外国人を襲撃した攘夷運動のようなもので、無謀そのものだ」と指摘する。

 だが現在、福田康夫首相に危機意識は皆無。「今の内閣は経済を後退させているだけで、ますますの外資離れを加速させている」(前出のエコノミスト)という状況だ。己を省みない無謀な外資排斥に日本市場が狂奔していては、江戸幕府のように、いずれ崩壊の道をたどるのでは?
(千代田文矢/「サイゾー」3月号より)

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最終更新:2008/03/03 12:09
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