機械も建物も、世の中ねじだらけ! 『ねじ図鑑』で知る奥深さ
なべ・皿・チーズ……これら、いったいなんのことかおわかりだろうか? 台所にあったものを適当に挙げたわけでは、もちろんない。ねじの頭部形状の名称の一部だ。『ねじ図鑑』(誠文堂新光社)に書いてあったのだが……ねじの図鑑って、かなりレアじゃなかろうか!? 監修者であり、機械工学を専攻する高校教師の門田和雄先生に、企画の経緯を聞いてみた。
「学校の近所にねじ工場があり、作業現場を見せていただく機会があったんです。それで、『ねじの入門書があればな』と思いまして。ねじは物作りに欠かせませんし、皆にその大切さに気づいてほしかったというのもあります」
ねじの生産業者などの中には、ねじの基礎知識がない人も多く、同書が社員教育に使用されているのだとか。時には自らねじを作ることもあるというくらい、ねじを愛する門田先生だが、最近は心配事もあるという。
「ねじは基本的にJIS(日本工業規格)に基づいて作られていますが、05年10月から新JISマーク表示制度が施行されました。旧JISマークからISO(国際標準化機構)に準拠した新JISマークに円滑に移行できるよう、3年間は旧JISマークが表示可能という猶予期間が設けられましたが、今年の9月30日にその期限が切れるんです。でも、国内の現場では移行作業がスムーズに行われておらず、混乱しています。新JISマーク以外のねじ製品は輸出不可能になるなどの弊害も出てくるので、心配ですね」(同)
たかがねじが規格外なだけで輸出できなくなるなんて、ねじ1本のありがたみが身に染みる……。 (小石川光希/「サイゾー」3月号より)
門田和雄
東京工業大学附属科学技術高等学校教諭の門田氏。普段は機械工学を教えていて、現在は人工筋肉で動くロボットを研究・開発中。「ロボットを作るのには、100本以上のねじを使用します。こだわっていくと規格内のねじでは合わない場合もあり、そんなときは自分でねじを作ることも」(門田氏)というから、もう「ねじ博士」と呼ばせてください!!
『種類や上手な使い方がよくわかる ねじ図鑑』
監修/門田和雄 発行/誠文堂新光社 価格/1850円(税込)
JIS規格準拠の小ねじやナットを、すべて紹介。ちなみに、ねじ業界で今注目されているのは、アルミやチタン製の軽いねじ。通常のねじは販売価格が1本1円に満たないそうだが、アルミ・チタン製は1本数十円(!)もするのだとか。
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