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内調職員が衝撃告発「日本はスパイが支配中!」

 1月、内閣情報調査室(内調)の元男性職員による、在日ロシア大使館員への情報漏洩事件が発覚。内調は、内閣官房の組織のひとつで、重要政策にかかわる情報の収集や分析などを行う情報機関だが、その内閣に直結する組織の情報漏洩事件だけに、関係各所に衝撃が走った。

「内調の国際部門に所属していたこの男性職員は、約5年前より複数のロシア大使館員から金銭授受や接待を受け、見返りに情報提供をしていました。その金額は約400万円に及ぶといいますから、ロシア側にとって、それなりに価値のある情報を得られていたということでしょう」(全国紙社会部記者)

 ところが、当の内調は事件発覚を受け、「今回、ロシアに渡っていた情報は、報道資料や有識者の発言録などで、機密に当たるようなものではない」と弁明している。要は「大騒ぎするほどの問題じゃない」という態度なのだ。

 これに対して、「内調幹部も、内心はヒヤヒヤのはず」と語る人物がいる。今回の事件の背景を告発したいと、本誌に情報提供を申し出た内調職員のA氏だ。A氏は、事件への社会的関心の低さに危機感を抱いているという。

「今回の一件は氷山の一角で、実は彼のようなスパイは内調に複数います。なぜそれほどスパイが増えるかというと、内調の構造的な問題と、プロパー(生え抜き)の扱いがひどいからです」

 A氏によると、内調には170名ほどの職員がいるが、そのうちプロバーは70名ほど。幹部の多くは、警察庁や公安調査庁から出向してきた職員によって埋められている。こうした偏重人事に対する、プロパーたちの不満の鬱積が、国家への裏切りにつながっているというのだ。

「他国の諜報員たちは、組織への忠誠心が揺るぎやすい、こうしたプロパーたちを、金や接待で籠絡しているんです。しかも、プロパーは一度飼いならせば、他省庁に戻ることもなく、継続的に情報を得られる。さらに、内調トップである内閣情報官が週1回、直接総理大臣にブリーフィングするなど、内調が内閣に上げる情報が政府の意思決定を左右することもあるわけです。極端な話、内調職員をコントロールすれば、政府を動かすこともできる。他国の諜報部員にとって、内調職員を籠絡することは勲章で、自国での出世につながるといわれています」

 問題はこれだけではない。プロパーと出向組が入り組んだ構造を持つ内調では、現場がいい国際情報を押さえても、たとえば上層部にいる外務省出向職員がその情報を内閣情報官に上げずに外務省に渡し、同省の権力維持・拡大にのみ利用してしまうこともあるという。政府の外交力の弱さは、こんなところにも起因しているようだ。

 今回の事件では、4人のロシア大使館員が内調職員から情報を得ていたが、そのすべてがロシア軍の諜報機関「GRU」に所属していたと見られている。贈賄容疑で立件されたのはベラノフ二等書記官だが、彼はすでに帰国済みで、実質的な処分はされていない。さらにA氏は「これは、まったく報道されていませんが」という前置きのもと、他の3名の実名を公表した。

「10年前に最初に男性職員に接触したのが、リモノフ一等書記官。その後、グリベンコ一等書記官、ズボビィ二等書記官に引き継がれ、最後がベラノフでした。この間、男性職員は、5年ほど衛星情報センターで国家の最高機密に触れる業務をしています。しかも、男性職員は、中国の諜報員とも接触しており、公安は内偵を進めています。仮にスパイ防止法や国家反逆罪があるアメリカで、このような機密を漏洩していたことが判明したら、処刑されてもおかしくないほどの重罪です。日本も今回の事件を機に、スパイ防止法制定や日本版NSC(国家安全保障会議)設置議論が再燃してもいいはずなのですが、その気配すらないことに強い危機感を覚えます」

 内調の責任者である町村信孝官房長官は事件を受けて、「再発防止策を取りまとめ、実行していきたい」と述べた。そのためには、ここで指摘したような、足元にある内調内部の実情を汲み上げる必要があるのだが……内調の立て直しは簡単ではない。 
(編集部/「サイゾー」3月号より)

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最終更新:2008/06/17 19:54
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