デアゴスティーニ「分冊百科」大延長に、ファンの悲鳴(前編)
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『週刊●●』や『週刊▲▲を作ろう』などの、分冊百科(パートワーク)シリーズを専門に出版しているイタリア発の外資系出版社「デアゴスティーニ・ジャパン」。帝国データバンクによると、06年12月期の同社の業績は、売上高が200億円という好調ぶり。「デアゴスティ~ニ♪」という、キャッチーなテレビCMのフレーズを耳にした人も多いだろう。
88年に日本進出を果たした同社のビジネスモデルは、廉価の創刊号をテレビCMで大宣伝して読者を惹き付け、それ以降は通常価格で販売。完結までの長期スパンで、宣伝費を回収するというもの。1タイトル100号完結なんてのはザラで、これまでに出したタイトル総部数は3億冊以上。しかし、ふと疑問がわき起こる。創刊号は書店で見かける機会も多いが、最終号を目撃したことはないような……本当に全部、完結してるの?
「07年12月現在までに、弊社では96タイトル発売しておりますが、継続中のものを除き、すべて完結しております。ただ、号が進むにつれて購入読者数が特定されてくるため、実売数に合わせて書店への配本を減らしていきます。書店での取り置き分しか配本しなくなるので、“店頭に並ばなくなる”という印象があるのかもしれませんね」(デアゴスティーニ・ジャパン・マーケティング部)
全部完結していると聞いて、一安心。が、しかし、一方で読者からは「毎号パーツを集める『週刊セーリング・シップ』が6号で休刊に。作りかけの船をどうしてくれるんだ!」というような声も聞こえてくる【註:後に発売された全国版は完結】。一体なぜなのか?
「その96タイトルというのは、全国発売されたもののことでしょう。同社では静岡や宮城、広島などの地方で同じようにCMを流し、テスト的な先行販売を行うこともあり、その売れ行きや反応を見て全国版を発売するか否かを決定しているようです。こうしたものは10号前後で休刊してしまうことが多いのですが、そうとは知らずに購入している読者もいるのではないでしょうか」(大手書店員)
確かに、同社のHPを見ても、プレスリリースは全国発売されるタイトルのみしか発表されておらず、テスト用に販売された作品のリリースは見当たらない。これでは、休刊と誤解する読者が現れても、致し方ないだろう。
(後編へつづく/「サイゾー」2月号より)
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