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EXILE・ATSUSHIも巻き込んだ詐欺映画『純愛』の手口【後編】

20080205_junai2.jpg『純愛』公式サイトは未だ堂々とオープンしている

前編はこちら

ATSUSHIは「自称女優」に心酔

 ATSUSHIを自己啓発セミナーに勧誘したのは、ほかならぬ小林桂子氏だ。もともと小林桂子氏の弟・正明氏の紹介だった。

 元体操選手の小林正明氏は、TBSの『究極のサバイバルアタックSASUKE』の出演経験もあり、都内で子供向けの「体育塾」を主催している人物。同時に、芸能人を招いて『純愛』を宣伝するクラブ・イベントなど開催し、ATSUSHIの誕生パーティー名目でのイベントに小林桂子氏を招いたことも。

 ATSUSHIがセミナーを受講した正確な時期は不明だが、昨年、映画のピーアール活動の中で「小林桂子さんと出会ったのは3年前」と明かしている。おそらく、受講もその頃だろう。セミナーとの関わりはその後も続いており、昨年4月には、ETLセミナーの設立10周年パーティーにATSUSHIの姿があった。

「そのパーティーで、ATSUSHIがセミナー卒業生だと紹介されて登場し、『純愛』の主題歌などを歌っていました。ETLの講師と抱きあったりもしていた」(関係者)

 ファンによると、『純愛』の東京興行前後のATSUSHIはイベントなどでもスピリチュアルな発言が目立ち、小林桂子氏にすっかり心酔していたとか。一時は、小林桂子氏とお揃いの水晶のネックレスまでつけていたこともあった。EXILEファンの間ではかなり早い時期から、「ATSUSHIは小林に利用されている」といった声が挙がっていた。

すでに芸能界人脈は壊滅

 しかしエイベックスが主題歌の使用を中止させて以降、ATSUSHIは『純愛』について沈黙。小林正明氏のイベントには伊藤英明やDJ OZMAも出席したことがあり、『純愛』東京興行ではEXILEや北島康介名義の花も飾られたが、1月の札幌興行ではそれも皆無。『純愛』は芸能人たちから事実上、見放された形だ。

 それ以前に、NPO法人関連の書類が偽造だったとなれば、もはや文書偽造罪や詐欺罪で逮捕者が出てもおかしくない。ところが、現在のところ、その気配はない。

 07年12月にオーマイニュースや「週刊朝日」が、『純愛』のデタラメぶりを報じたところ、数日後に『純愛』製作実行委員会は公式サイトで、NPO法人の偽装や書類の偽造は自分たちがやったことではなく、「NPO法人化の手続きを依頼していた第三者による巧妙に偽装された詐欺行為」だと釈明した。つまり自分たちは「犯人」ではなく「被害者」だというのだ。逮捕されるどころか、自分たちから警察に相談し、「第三者の詐欺師」を相手に刑事告訴・告発を準備中だという。

懲りずに札幌でカネ集め

 しかし『純愛』関係者は、書類の偽造をエイベックスから指摘されても確認せず、2カ月間も放置していたり、その後もその事実を隠して協賛企業からカネを引っ張っている。どう考えても、被害者面できる立場ではない。

 しかも「収益を中国の学校建設に使う」として1億円も集めておきながら、収益が出る見込みは全くない。観客の多くはセミナー生やその周辺で、リピーターは多いが一般の観客はほとんど入っていないようなのだ。ATSUSHIの名前が消えてからは、EXILEファンの動員もない。

 それでいて今年1月、『純愛』は資金を使い果たしてしまったとして、札幌での上映に足を運んだ支援者らに金銭支援を求め始めた。なんでも、3月に『純愛』をスイスで上映するために、300~500万円のカネが必要なのだとか。その費用には、なぜか現地でのカクテルパーティー開催費用も含まれている。中国での学校建設用の募金箱を劇場に置くこともせず、映画の宣伝のために支援者からカネをせびることだけにやっきになっている。こんなものはもはやチャリティーでもなんでもない。

 ATSUSHIが心酔した「自称女優」は、実はトンデモない山師だったと言われても仕方なかろう。
(藤倉善郎)

【参考】
チャリティー映画『純愛』のウソを暴く!
『純愛』小林桂子氏に直撃で恐縮です

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最終更新:2008/02/05 17:03
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