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大正時代の演歌の旋律が、日本人の古き良き魂を呼び覚ます?

20080131_taisho_enka.jpgカンカラ三線を爪弾く岡大介

 初めて聴いているのに、どこか懐かしい音楽。この冬、唄い手である岡大介が、ラッパ二胡奏者である小林寛明と組んでリリースする『かんからそんぐ』は、そんな大正時代の演歌をカバーしたアルバムだ。大正時代の演歌は洋楽の影響が濃く、政治風刺色の強い音楽だった。そんな音楽を演奏する2人は、ともに1978年生まれという若さ。なぜ1世紀近くも昔の音楽を発掘したのか?


「今の日本の音楽は、面白くないんですよ。高校時代は吉田拓郎さんとか、フォークをよく聴いていたんですけど、自分にとっての歌の原点を探す過程で、明治や大正時代の演歌を知って……一番しっくりきたんです。日本ならではの泥臭さが感じられて、日本人の血にしみついたメロディを感じるんですよね。曲は、大正時代のレコードの復刻CDや、自分のおばあちゃんから聞いて覚えました」(岡)  

 岡は空き缶を利用したカンカラ三線、小林は台湾のラッパ二胡という楽器編成も独特だ。そこへチンドン屋の音楽のルーツでもある「ジンタ」の要素を加え、2人は独自の音楽を生み出している。また、カバーだけではなく岡の自作曲も3曲収録している。

「いつかは、オリジナル曲だけでアルバムを出したいですね。日本人の体になじんでる音楽なので、きっかけさえあれば、世間に浸透するのは早いと思うんです。だから不思議とこの先のことに不安はないです」(岡)

 野心と自信を感じさせる岡の言葉。『かんからそんぐ』は、日本人の体にしみ込んだ記憶を呼び起こすような作品なのだ。
(宗像明将/「サイゾー」2月号より)

※写真は、カンカラ三線を爪弾く岡大介。一方、北陸在住のため取材当日には残念ながら会えなかったが、小林寛明は大阪の有名なチンドン屋集団である「ちんどん通信社」で5年間の修業を積んだ経歴の持ち主。2人は5年前に大阪で出会ってコンビを結成した。

『かんからそんぐ 添田唖蝉坊・知道を唄う』
発売日/2月3日 発売元/OffNote 価格/2100円(税込) 大正時代の演歌師である添田唖蝉坊・知道親子が作った流行歌を中心にカバーしている。

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最終更新:2008/01/31 11:51
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