スマイルもひきつる? マクドナルドの冷酷な経営姿勢【前編】
#事件 #企業
昨年11月下旬に発覚したフランチャイズチェーン(以下、FC)による賞味期限改ざんや直営店の食品衛生問題などによって、コンプライアンス不信が高まっているマクドナルド。賞味期限改ざんは、問題のFC社員が「コスト削減でのプレッシャーがあった。もったいなかった」と意図的にしたことを認める証言が新聞各紙で報じられているが、その要因をさらに検証すると、売り上げや人件費などの成果主義によって、店舗の労働環境がいかに厳しいかという事実が浮かび上がってきた。
「問題はFCだけのものではありません。たとえば24時間営業の店舗が増えていますが、人件費などの経費管理には、厳しい上司のプレッシャーや目標数値があり、営業時間が増えても人件費はほとんど増やせない」(マクドナルド某直営店店長)
そのため、勤務店舗によっては休暇をとれず、近隣店からのヘルプでなんとかしのいでいるのが実情だ。もちろん、店舗の業績はボーナス査定に直結する。結局、FCや直営に関わらず店舗は厳しい数値目標に縛られている。この状況が続けば、再び賞味期限改ざんのような事態が起きないとも限らない。いや、実はさらに悪い事態がすでに起きていたという疑惑もあるのだ。
というのも、昨年10月、横浜の某店舗の店長が、勤務中に突然倒れ、亡くなったのである。その店は24時間営業ではないが、立地もよく繁盛しており、亡くなった店長はマネージャーと2人で店を回していた。人員不足は誰の目にも明らかだったという。 「ついに起きたかと思いました。横浜のあの店の規模なら、最低でももう1人、マネージャーとして社員が必要でしたよ」(同前)
当然、過労死とみられる事態だが、この件に関してマクドナルド・コミュニケーション部に訊ねると「ご本人の私病と聞いている」とのコメントがあった。つまり、過労死とは認識していないのだ。
(後編につづく)
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