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“公営化”への逆戻り切望?! 抜けぬ郵政社員の“お役所意識”

yuucho.jpg「千代田霞が関郵便局」。ご立派

 昨年10月、総資産約350兆円という超巨大民間企業「日本郵政グループ」が発足した。傘下に4つの巨大企業を抱える同グループのトップに君臨する西川善文社長に対しては、対応が遅い部下を怒鳴り散らしたり、出身母体である三井住友グループの人間を重用するなどといった・独善的・ともいえる経営手法に社内から多数の批判が出ており、すでに昨年の本誌11月号でも報じた。

 一方で、郵政民営化を批判的に論じた「週刊ダイヤモンド」12月22日号の特集「『郵便局』を信じるな!」の記事にも顕著なように、むしろ現場の社員たちに対しては、ノルマによる疲弊と分社化による混乱に翻弄される「かわいそうな人々」との論調が多い。しかし、西川社長に尻をたたかれる彼ら郵政グループの社員に対しても、ツッコミの声が上がっていることをご存じだろうか? とりわけそんな声が強いのが、全国津々浦々にある郵便局の配達員に対してだ。

 郵便局では、人員合理化が進められて配達要員の減少が進んでいるため、夜間になっても懐中電灯を片手に配達作業に従事。また、1年で最も忙しい年賀状配達では、誤配や遅配の多発が恒例行事化している。現場の配達員は「夜になっても仕事が終わらない」と嘆くが、ライバルのヤマト運輸や佐川急便などの民間配達業者は、こういった嘆きを鼻で笑う。

「夕方できっかり仕事を終えられた民営化前が、異常に楽だっただけ。そもそも最近は昼間不在がちの家庭が多いため、夕方以降の配達は欠かせなくなっており、夕方での配達終了は、顧客ニーズを無視しているようなものなんです」(大手民間配達業者の担当者)

 実際、ヤマト運輸や佐川急便が18時以降の夜間配送を当たり前のサービスとして以前から行っていることは、読者諸氏もよくご存じであろう。要は現場の郵便局員から、「9時5時勤務」の・お役所意識・が抜けていないというわけだ。

 さらに、厳しい現状を嘆くだけで、「現場から、なかなか日常業務の前向きな改善方法が上がってこない」(日本郵政幹部)というから、駄々っ子さながら。これには、「民間企業みたいにガツガツやりたくないから郵便局に入ったんで、それを今さら『民間並みにバリバリ働け!』と言われても、『そんなはずじゃなかった』という感じ」(日本郵政の中堅社員)と、郵政グループの社員も自嘲気味に自ら認めるところなのだが……。

 ちなみに、本社勤務のこの社員から、「9時5時勤務というのは間違い!」との指摘があったのでよく聞いてみると、「始業時間は9時半(笑)」とのこと。「通勤ラッシュ緩和のための時差出勤に貢献するという名目で、本社の勤務時間は9時半に設定されていた。でも、それも西川社長の『郵便局が9時に開いているのに、なんで本社が働いていないんだ』という一喝で、9時始業になりそうですが」(同)というから、開いた口がふさがらない。

 こんな役人意識が抜けない郵政グループ社員が期待するのが、「郵政公営化」への逆戻り。駄々っ子の無理なワガママかと思いきや、現実味がある話だという。事実、民主党と国民新党が、郵政事業の一体経営を保つため、政府保有の日本郵政株の売却を当面凍結し、郵政事業の一体経営を保持することを目的とする「郵政民営化見直し法案」を昨年12月に提出し、民主党が過半数を占める参院では可決されている。衆院では反対多数で否決となったものの、近いと噂される衆院選で民主党が勝利すれば、同法案の成立が現実となる。さらに、「民主党が衆院選に勝てば、郵政民営化の見直しどころか、公営への逆行もありえる」(政界関係者)とのこと。衆院選の行方によっては、駄々っ子のワガママが通ってしまうかもしれない!?
(千代田文矢)

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最終更新:2008/01/27 09:09
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