メーカーだけが悪いのか!? 食品偽装の“真犯人”を探せ(前編)
#事件 #企業 #マスコミ
次々と明るみに出る食品の問題。多くのメディアでは「食品偽装」と一言でまとめてしまっているが、その中身は賞味期限から産地の問題までさまざまあり、<中略>その中でも今回は、後を絶たない期限表示の偽装問題について取り上げたい。
06年末から07年で、期限表示関連の問題でメディアに名前が挙がったのは、不二家(プリン、シュークリーム)、石屋製菓(白い恋人)、赤福(赤福餅)、御福餅本家(御福餅)、船場吉兆(黒豆プリンなど)、納屋橋饅頭(納屋橋饅頭)、博多っ子本舗(たらこ)、備前屋(八丁味噌煎餅)、マルヒ(干しいも)、日本マクドナルド(サラダなど)、麩三商店(味付けのり)などである。
これらについてメディアは「期限表示の偽装」と、メーカーだけが悪者であるかのように書き立てているが、食品表示に詳しい日本食糧新聞の伊藤哲朗氏は、次のように語る。
「行政やメーカーの関係者の中には『メディアは騒ぎすぎ』といった意見も見られます。一連の騒ぎでは、期限表示を故意に偽装したものと、法解釈の間違い、印字ミスなどが混在してますから。悪質なものはJAS法で罰金1億円、食品衛生法では無期限営業停止と厳しい罰則がありますが、ケースによっては注意程度の軽微なものもある。国民生活センターのホームページには自主回収などを行った企業のリストが出ていて、簡単なミスは結構出ています。メディアは今まで大きな扱いにしてなかったのですが、最近は大きな扱いになっています」
また伊藤氏によれば、最近は危機管理対策が進み、行政側が社名公表をしなくても、マクドナルドのように自主的に公表する例もあり、メディアの格好の材料になる部分もあるという。
「公表はその企業にとって迅速な信頼回復につながりますが、消費者には食品業界全体に対する漠然とした不信が残ります。またテレビなどでは法制度や科学についての知識が曖昧なコメンテーターが誤った見解を示すこともあり、それに消費者もつられていく」(同)
(安楽由紀子/「サイゾー」1月号より)
【後編はこちら】 賞味期限と消費期限 混同するメディアも!?
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