久間元防衛相へのワイロ性確定か 防衛省事件は最大の山場へ
#政治 #スキャンダル #防衛省
今年は年明け早々から、検察捜査が活発な動きを見せている。東京地検関係者によると狙いは政界ルート、なかでも久間章生元防衛相に対する包囲網は確実に狭まりつつある。
「特捜部は大みそかまで防衛省幹部たちから事情聴取を進めてきた。元旦はいったん休み、2日から再び捜査をスタートさせている。焦点は、久間氏から防衛省への口利きあっせん疑惑なんだ」(地検関係者)
今年1年を占う事件だけに、ここで証言を詳しく紹介しておこう。この地検関係者によると、驚くべきことにすでにワイロは確定しているという。久間氏の側近として暗躍する“防衛フィクサー”こと社団法人「日米平和・文化交流協会」の秋山直紀専務理事サイドに2つのカネの流れがあり、これをワイロとみなせるのではないかという判断に傾きつつあるというのだ。
(1)2003年末、防衛商社「山田洋行」から秋山氏に対し、「福岡県苅田町の旧陸軍毒ガス弾処理事業を受注できるよう取り計らってほしい」と依頼し、久間氏に仲介してくれることを念頭に1億円を支払った。
(2)2006年10月、山田洋行はアメリカ滞在中の秋山氏に米ドルで3000万円を渡し、航空自衛隊の次期輸送機(CX)エンジンの代理店契約をライバル企業に奪われないよう「久間先生にご尽力願いたい」と仲介を頼んだ。
いずれも収賄罪の時効5年以内の出来事。しかも総額1億3000万円に上る巨額資金だけに、「いわゆる秋山氏個人へのコンサルタント料としては破格値。これだけの金額であれば、政治家への口利き料含みに当たると判断できるわけだ」と地検関係者は説明する。
しかし、久間氏の懐に直接入ったものかどうか、いまのところ判然としない。「いや、過去の判例からみてワイロ性は証明できるはず」と地検関係者。これはどういうことか。立件パターンは2つあるらしい。
(A)久間氏が口利きし、仲介者の秋山氏個人が儲けただけなら刑法の「第三者供賄罪」が成立する。これは政治家が自分の支援者を儲けさせるために便宜を働いたときに適用される罪。支援者であればいずれ政治家にも見返りがくるので、間接的な収賄罪とされる。
(B)秋山氏は、渡米するたびに久間氏に同行し、米高官や軍需産業の面会に立ち会っているため、秋山氏を私設秘書と見立てることができる。私設秘書への資金提供は、かつて村上正邦参院議員ら政治家2人を逮捕したKSD事件のときにワイロ認定できると判例化しているので、収賄罪が適用できる。
いずれにせよ、カネの趣旨をはっきりさせるには秋山氏から事情聴取するしかない。秋山氏は1月8日に参院外交防衛委員会に参考人招致されており、「その前の事情聴取も検討している」と地検関係者。そのために正月返上で捜査を急いでいるわけだ。
大手紙各社とも国会証言前の事情聴取もあり得るとみて、すでに秋山氏に関する予定原稿を仕上げたもようだ。日刊サイゾー読者も、8日に注目してほしい。(編集部)
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