トヨタ様には超ナーバス 日経の書籍広告“検閲”事件
#本 #企業 #トヨタ #日経新聞
現場の過酷な状況も克明にレポートしている『トヨタの闇』
(渡邉 正裕、林 克明著/ビジネス社)
本誌では、もはやお馴染みのトヨタタブー。11月刊行の『トヨタの闇』(渡邉正裕・林克明著/ビジネス社)は、そんな同社の製造面や労働面などの暗部を描いた数少ない書籍のひとつだが、同書の広告掲載について日経新聞が、報道機関らしからぬ「物言い」をつけたようなのだ。
広告掲載を依頼した、ビジネス社の瀬知洋司編集長によれば「日経側は、広告につけたキャッチコピー『世界のリーディングカンパニーとして恥ずかしくないですか?』は、誹謗中傷であるとしたのです」
普通に解釈すれば、これは「批判的な問いかけ」。どこをどう読めば、誹謗中傷になるのか。要求はこれだけではなかった。
「『年間1千億円超にもなる日本一の広告宣伝費で首根っこを掴まれたメディアは、トヨタの経営側に立った一面的な情報しか流せない』等の文言について、メディア批判なので削除してほしい、と言われました」(瀬知編集長)
日経新聞に、テレビ等のメディアに批判的な記事が載ることは珍しくない。にもかかわらず、広告内のメディア批判がNGというのだから驚きだ。
「結局、タイトルと著者名以外はすべて修正を要求された形で『保留します』というのが日経の回答です。この業界で『保留』は、実質拒否のこと。こんな修正には応じられない、ということで交渉を打ち切りました」(同)
到底理解しがたい修正要求の数々の真意を問うべく、日経に取材を試みたものの、約束した期日を過ぎても返答はない。またも、“保留”といったところか。
ビジネス社は、日経との交渉を打ち切った後、読売新聞に広告掲載を依頼。こちらは修正要求は一切なく、そのまま掲載されたという。スポンサーに対しては、多かれ少なかれタブーを抱える大手紙だが、今回の騒動では日経新聞の大企業寄りの姿勢が、あらためて浮き彫りになったといえる。報道機関としての自覚があるならば、トヨタをはじめとする大企業にも厳しい目を向けてもらいたいものだ。
(逸見信介/「サイゾー」1月号より)
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