ギャラは“●●代”相当? 元編集が語るコミックガンボ休刊の内幕
#マンガ #休刊
/『コミック・ガンボ』創刊号
世界初の無料マンガ雑誌として、今年1月に創刊されたコミックガンボが今月11日に休刊、翌日には発行元の株式会社デジマが事業停止を発表した。
収入の一切を広告料で賄うフリーペーパーが次々に創刊されるなか、ついにマンガ雑誌まで無料に、ということで話題を呼んだが、結果としては約1年での休刊となってしまった。
この世界初の試みのどこに問題があったのかについて、代表に直接話を伺うべく、デジマに取材を申し入れるも、弁護士を通していただきたい、とのこと。それでは、と担当の弁護士に尋ねても、債権に関する取材以外に応じるのは難しい、と固く口を閉ざしてしまっているような状況だ。
そんな中、同誌で連載されていた『人間噂八百』の作者足立淳氏が、自身のブログで、仕事を募集したり、未払いの原稿料などについて語っていることが、ネット上でも話題となっている。足立氏の担当だったフリー編集者の石川氏は、あくまでフリーの立場から見た、と断った上で、次のように語る。
「創刊の段階で、成り立つのかな、という感じはしていました。足立さんとはガンボ以前からの知り合いだったのですが、『マンガ雑誌を創刊するにあたって、スタッフとマンガ家募集している』という情報を得て、2人でデジマに行ったのが確か去年の8月の終わり頃。その時点では誌名も決まっていませんでした。それが、年内に創刊したい、と言うのです。さすがに年内では無理ということで、突貫工事で翌年の1月創刊になったのです。社長も『創刊してしまえば広告収入が入ってくるし原稿が貯まれば単行本にして売れる、全く人気がなくても1年間週刊誌を出し続けるだけの資金はある』と豪語していましたね」
創刊時にメディアで報道された、画期的なビジネスモデルの内側は、案外、勢いに任せた大雑把なものだったようだ。
無料マンガ誌の原稿料がどれくらいだったのかも気になる。石川氏は明言を避けたが「足立先生は(ソープの)“入浴料”ぐらいです(笑)。マンガ家さんによっては”サービス料”ぐらいの方もいたようですが」とのこと(あくまで目安だが、入浴料=15,000~30,000円、サービス料=入浴料の2~3倍程度)。ちなみに、石川さんのギャラは、ページあたりCDアルバム1枚程度だったらしい。
「最初はフリーの編集者は、ページあたり“DVDボックス”、という話でした。マンガ家の方には”サービス料”ぐらい、という話だったのですが、それはやっぱり高い、という話になって、結局編集者のギャラを削って補填することになりました。それで”CDアルバム”になったんです。マンガ家、編集者、原作者などを雇ってちゃんとしたマンガ、ページあたりいくらかかるのか、という点について、社長の見積もりが甘かったんじゃないですかね」(同)
突如連載を失ってしまった足立淳先生は、自身のブログで求職中。すでにオファーもあるというが……。
「今のところ、足立さんがどういうマンガ家なのか、どういうものを描いていたのか、全然知らなくて、単に無料マンガ雑誌が潰れた、マンガ家が失業、仕事ください、という、それだけで来た話がほとんどですね」(同)
『さおだけ屋は何故潰れないか』のベストセラーで知られる、山田真哉氏に「『人間噂八百』は毎回、マニアック雑学の勉強にもなってとても面白かったです」と(ブログで)言わしめた新進気鋭の足立淳先生に仕事依頼のお便りを!→boroichi@excite.co.jp
(逸見信介)
【Buzzurlのエントリー】 <コミック・ガンボ>休刊へ “世界初の無料マンガ誌”1年で幕
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