数グラム足りずに32万個廃棄 食品偽装のもったいない結末
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食品メーカー「モランボン」(本社・東京)が「『モランボン』肉まんなど32万個、量目不足で回収」と12月4日に読売新聞が報じた。
これは、モランボンが先月出荷した肉まんなど3商品が、表示よりも最大8グラム程度量が少なかったために回収するとしたもの。出荷先から「見た目がいつもより小さい」と報告があり、発覚したという。既に販売したものもあり、回収は出荷先の在庫分、ということになる。そのため、32万個全て回収というわけではないが、回収量は相当量になるだろう。「回収されたものは廃棄処分」(モランボン広報担当)されるという。
他社につられて、過剰反応?
今年だけでも、不二家、ミートホープ、白い恋人、赤福、船場吉兆、マクドナルドと、食品偽装は挙げればキリがない。またか、という感じだが、ネット上での反応は若干異なる。
「消費期限切れ商品の再販売や、異物混入等なら回収もやむなしだが、足りないだけで食品として問題がないのに、回収・廃棄はもったいないのでは?」「食品偽装問題への世間の注目の高さから、以前なら見逃していたようなことでも、敏感になりすぎているんじゃないか」という声もある。
同社は、こうした見方について「他社の偽装問題が影響している、ということはありません。同じように回収したと思います」(広報担当)と否定している。
ところで、回収して廃棄されるぐらいなら、既に流通しているものだし、店頭で事情を説明して、割引して売る等、廃棄を回避するような方法は採れないものなのだろうか?
たった数グラムのために販売できない現実
食品表示のルールは、JAS法、食品衛生法、計量法よって定められている。今回の件は、計量法に抵触するケース。監督機関の東京計量検定所によれば、「法に直接、回収義務の規定がありませんが、内容量に誤りがあると分かった以上、販売はできません。ですから結果としてメーカーが回収、ということになります」(立入検査係担当)とのこと。回収された食品を再利用することなどできないので、結果として廃棄されるというわけだ。融通の利かない法律にも思えるが、消費者との信頼関係を維持するためにはやむを得ない。
原油高の影響等で、食品価格の引き上げが相次ぐなか、メーカーはコストダウンの方法を模索している。そのしわ寄せが下請けの工場に回され、食品偽装に手を染める原因となる例も少なくない。今回の件についても、こうした背景はなかったのか。 同社は、現在委託先に事情を聞くなどして調査中だが、「そういうことは一切ありません」(広報担当)とのこと。
一方で、「商品の計量管理になんらかの不備があったということですから、事情を聞くつもりです」(前出の立入検査係担当)と、計量検定所も立入検査を予定しているようだ。同社及び計量検定所には、厳正な調査を期待したい。
(逸見信介)
【Buzzurlのエントリー】 「モランボン」肉まんなど32万個、量目不足で回収 : 社会 : YOMIURI ONLINE(読売新聞)
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