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遺族も無視できなくなった 長井氏殺害事件をめぐる“場外乱闘”

20071127_nagai.jpg「ミャンマー軍による長井健司さん殺害に抗議する会」ブログ

 ミャンマーで殺害されたジャーナリスト・長井健司氏の活動をめぐり、故人も不本意であろう、激しい場外乱闘が起きている。きっかけは、「週刊文春」(11月20日号)が「長井氏は、契約する通信社APFの業務命令によって、無理やり危険地域であったミャンマーに送り込まれた」などと報じたこと。これにAPF代表の山路徹氏や長井氏の遺族が猛反発。11月16日に山路代表や長井氏の父親らが記者会見を開き、<文春の報道は故人の名誉を傷つけるものだ>として、名誉毀損による民事訴訟のみならず、刑事告訴も視野に入れていることを発表した。

 さらに、ジャーナリストら有志で組織される「ミャンマー軍による長井健司さん殺害に抗議する会」も、自らのブログで「文春の記事は事実無根。記事化前に“抗議する会”が指摘した事実関係も無視して、長井氏を貶めている」といった趣旨で文春を激しく非難している。同会関係者によれば、「文春がネタ元にしているタイ在住の日本人女性にも確認したが、文春に書かれているようなことは言っていないと証言している」とのこと。さらに、24日のブログでは「文春が(抗議する会の)事務局の周辺に何か悪評がないかと聞き込んできたことが昨夜判明しました」と、文春の矛先がAPFの山路代表から、抗議する会に向いていることを示唆し、「いわれのない攻撃には、徹底的に戦うしかありません」と徹底抗戦を宣言している。

「抗議する会の事務局の運営は、在京キー局のプロデューサーが中心にボランティアで行われています。このプロデューサーの人脈が生かされ、鳥越俊太郎氏から徳光和夫氏まで、著名なジャーナリストを含め、幅広いメンツが抗議する会の活動に賛同していますが、文春の記事は、同会の活動趣旨の根幹にかかわる問題なので無視できないんです。12月1日にも、同会主催のシンポジウムが予定されてますが、ここでも参加ジャーナリストから、激しい文春批判が飛び交うのではないでしょうか」(抗議する会に近い関係者)

 野次馬的には、大手週刊誌vsジャーナリスト有志の戦いは興味深いが、こうした場外乱闘にばかり耳目が集まってしまい、本来、国民の多くや抗議する会が求めている、長井さん殺害事件の真相究明やこの違法行為に対する厳罰要求、そして、長井さんのビデオカメラの返還を求めるなどといった重要な動きが鈍化してしまうことは避けねばならない。

「文春の報道のみならず、一部大手新聞では殺害直後の報道で、銃撃現場の写真をトリミングして使用し、長井さんを写り込まないように自主規制が働くなど、殺害事件をめぐる報道機関の姿勢にも検証すべき点は多くあります。国外報道にはめっぽう弱い日本のジャーナリズムが今回の事件をどう消化できるのか、その真価が問われているのではないでしょうか」(報道関係者)

 その試金石になるであろう、抗議する会主催のシンポジウム「最前線ジャーナリストの真実」(12月1日(土)12時30分〜/日本記者クラブホール)の詳細は、同会のブログにアップされている。「マスコミの裏側」に強い関心をもつ本サイト読者には、興味深い催しといえるだろう。
(編集部)

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最終更新:2008/06/19 23:36
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