ひろゆきは『王様は裸だ』と言った少年 by 小飼弾
#ネット #2ちゃんねる
ブロガーとしては「日刊サイゾー」の大大大先輩にあたる「404 Blog Not Found」の小飼弾氏が、雑誌「サイゾー」12月号の特集「これを読まずに日本を語るな! 社会の裏側が透けて見える本’07」に登場。その中で紹介してくれたオススメ本がこれだ!
(以下、小飼氏談)
とにかくこの本は、ぶっちゃけすぎている。「Web2・0という言葉は単なるキャッチコピーに過ぎない。マイナスイオンが〝なんかよくわからないけどイイ〟と持てはやされるのと一緒」「グーグルもはてなも技術力は大したことはない」とか、一般にはポジティブに捉えられがちなIT業界の側面をばっさり斬っている。
ただ、この本を書いた(実際には聞き書きの形だが)ひろゆき自体が〝ヤバイ〟とは僕は思わない。ひろゆきは、童話「裸の王様」で、裸で歩く王様に「王様は裸だ」と言う少年と似ている。あれは、少年がヤバイことを言っているのではなくて、王様と彼を取り巻く人々がヤバイんでしょう。IT業界もそうで──どこの業界も同じだと思いますが──本当はたいしたことのないものを針小棒大に言って騒ぎ立てたりだとか、そういった意味でのヤバさが蔓延している。セカンドライフなんかは、今もっともそういった意味でヤバいかもしれない。セカンドライフは、ネット世界なのに、3Dキャラクターがいちいち歩いたり空を飛んだりして移動しなければならないとか、現実世界のアナロジーを持ち込みすぎている。そんなもの、ワンクリックで移動できたほうがいいに決まっている。そもそもネット世界は「現実世界みたいですごい」というよりも、「リアルでないから気軽で便利」という点が本質。
何より、セカンドライフは人間の手がヤバくなる(笑)。マウスで動かしていると手が痛くなっちゃって。wiiにwiiリモコンがあるように、セカンドライフに適したマウスのようなものができれば、少しは使いやすくなるかもしれないけどね。
(「サイゾー」12月号より)
こがい・だん
1969年生まれ。カリスマプログラマー。ディーエイエヌ有限会社代表取締役。アルファブロガーの1人で、ブログ「404 Blog Not Found」は日本有数のアクセス数を誇る。
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