長井健司さんの死をめぐり「文春」と「抗議する会」が衝突
#海外 #事件 #週刊誌
ミャンマー軍事政権による、長井健司さん殺害事件に関して、とんだ場外乱闘が起きている。
発端は、某週刊誌が長井さんに関する、ある記事を書こうとしていること。その記事とは、<長井さんは、APF通信社からの業務命令によってミャンマーへ取材に行かされており、巷間認識されているような自発的な取材ではなかった>というものらしい。つまり、長井さんは「業務=ビジネス」として、いたしかたなく周囲の警告を無視して、危険な現場に足を踏み入れ、命を落としたと言いたいらしいのだ。
法的措置もとりうる
こうした記事を書こうとしている週刊誌の動きに対して、メディア関係者や有識者らで組織する「長井健司さんの殺害に抗議する会」が猛反発。同会のブログでは、週刊誌が記事化しようとしていることは、長井さんがタイで偽札関連の取材をしていた際の関係者(この関係者と長井さんの間には、金銭トラブルがあったという噂もある)が持ち込んだ“ガセネタ”であるとし、「嘘を載せることで、ミャンマーで軍政による銃撃で取材中に死んだフリーのジャーナリストを貶めることは品性が相当下劣なメディア人であると言うしかありません」と厳しく非難している。つまりは、ミャンマーの現実を死ぬ気で伝えようとした長井さんの志を貶める行為だというのだ。むろん、週刊誌が書こうとしていることが事実無根であるなら、まさに長井さんやその支持者を冒涜する行為になりかねない。
「日刊サイゾー」の調べによると、この週刊誌は「週刊文春」のようだ。「抗議する会」関係者を取材すると、「長井さんが、APFの命令によって動く人かどうか、また、実際に今回、そのようなことが行われていたかどうかは取材をすればわかる話。長井さんが自発的に取材に行ったという証拠もある。“死人に口なし”と言うが、長井さんの名誉を蔑むような記事が出れば、抗議する会として法的措置も取りうる」と強気だ。
両者が今後どのような動きに出るかは予断を許さないが、ひとりの勇気あるメディア人の死をめぐって、メディア関係者同士が衝突する事態など、長井さんが望んでいないことだけは確かだろう。
(編集部)
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