ネットビジネスで“一獲千金”の罠! 儲けの仕組みと違法性
#ネット #mixi
ひと昔前の出会い系サイトは、どこのサイトも億単位で金が動くほどネットビジネスとして成功していたが、当時と比べて現在はそれほど儲かっていない。そもそも、出会い系サイトの多くはインターネット異性紹介事業にあたる会社組織として運営されており、社員以下の給料はそれほど高くはないというのが現状だ。それよりも今、「楽して儲けられる」というイメージのもとに、急速に広まっているのは、「情報商材」あるいは「エログ」だといわれる。
本当に儲かるの?
たとえば、mixiで見知らぬ名前の足あとをクリックすると、「1カ月で●●万円の不労所得を得ました♪」という、怪しいプロフィールのIDだったり、どこをクリックしてもエロサイトに飛ばされてしまうアダルトブログで、お目当てのアイドルお宝動画にたどりつけない……そういった経験をしたことのある人は多いと思うが、それらはすべて、最近はやっている「mixi情報商材」「エログ」のようなネットビジネスの一端だ。
情報商材とは、たとえば「競馬に必ず勝てる方法」「異性にもてる方法」などのノウハウ情報のこと。ネットでは主にPDFファイル形式で売られていることが多く、数年前からヤフオクを通じてさかんに販売されるようになった。昨年からインフォカート【註1】を通じて販売開始した「mixiで月収93万円の不労所得を得た男」というタイトルの商材は、たった10カ月で1万8000本を売り、1億6000万円以上の利益を生み出したという。
一方の「エログ」とは、文字通りエロに特化したアダルト系のブログ。基本的に、儲けの仕組みはアフィリエイト。エログ運営者はアフィリエイターとして、エロ動画DLサイトや出会い系サイトへのリンクをエログ内に貼り紹介・宣伝。閲覧者がエログを経由してそれらサイトに入会・登録することで、成果報酬を得ている。ネットとブログの知識さえあれば誰でも開設でき、労働時間も1日に2時間程度で事足りるため、今一番、適性や時間に左右されず儲かるのはエログだろう、といわれる。しかし、エログの中には、
かつて一世を風靡した「関西援交」のような無修正児童ポルノがアフィリエイトされているものも少なくない。ネットビジネスに詳しい紀藤正樹弁護士は、こう指摘する。
違法スレスレ リスクと背中合わせのビジネス
「それらは、わいせつ物頒布、陳列罪の幇助に該当する可能性がありますね。そういった動画・画像をリンクしているエログ運営者は、逮捕も時間の問題なのでは。アフィリエイトに関してはまだ摘発例はありませんが、今年の5月に大手アダルト画像サイト『画ちゃんねる』管理人が、無修正画像の投稿を放置したことにより逮捕されました。児童ポルノであれば規制の厳しい海外からのクレームを発端に国際問題にも発展しかねないので、警察も放っておかないでしょう」
また、情報商材ビジネスも、単価が1万~7万円前後と高いため、当たれば大きいが、購入者が「商材として価値がない」と本気で訴えれば、民法と消費者契約法により、購入契約自体が無効になる可能性もある。
「不当表示・誇大広告の恐れもありますが、それは行政指導の範囲であって犯罪にはならない。ただ、公序良俗違反や錯誤無効【註2】であるとかで、民事的な損害賠償責任を負う可能性もあります。情報にまったく価値がなければ、刑事的な詐欺罪の適用もあり得ます」(前出・紀藤氏)
現在、ネットビジネスに関連する法律はまだ整備されていないため、グレーゾーンの範囲も広い。たとえビジネスチャンスが大きくとも、いつ摘発されるか知れないのである。
月に数十~百万円を稼ぐエログ運営者は、「マメな更新作業やヒット数を伸ばすための工夫が必要で、決して楽ではない」とも語る。それなりの努力を必要とし、摘発のリスクさえはらむネットビジネス。楽して儲けるのは難しいのである。
【註1】個人の持っているノウハウ(情報商材)をネットを通じて販売するためのシステムを提供するASP。他人が作った情報商材をアフィリエイトすることも出来る。情報商材系のASPとしてはもっとも認知度が高い。
【註2】購入にあたる契約内容の重要な部分について錯誤(勘違い)があり、錯誤していなければ契約しなかった、と購入側が主張したとき、その契約が無効となること。
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