Yahoo!ニュース担当者が語る!【3】競合は“友人のブログ”
#企業 #ネット #インタビュー #mixi #Yahoo!
近年、各メディアのインターネットへの参入が相次いでいる。特にニュースの発信源である新聞各社の動きがあわただしい。今月1日、産経新聞が MSNと提携して「MSN産経ニュース」を立ち上げたその同じ日に、毎日新聞は「毎日jp」の運営をスタート。さらに、業界大手である朝日・日経・読売が、来年を目途に共同ポータルサイト「ANY」を立ち上げるという話まで出ている。
このようなメディア各社の動きを、ニュースサイトの雄であるYahoo!ニュースはどう見ているのだろうか。Yahoo!ニュースの統括責任者である、メディア事業部プロデューサー・川邊健太郎氏に独占インタビュー!
それでは、Yahoo!ニュースにとっての競合というのは、どこになるんですか?
「livedoorニュースやinfoseekニュースなど、同モデルのサイトは当然競合になるわけですが、一番の脅威はブログやソーシャルネットワーキングサービス(SNS)です」
ブログ……というと、個人が競争相手ということですか?
「その通りです。これは先ほどお話した方針転換のもうひとつの軸になるのですが、我々はソーシャルメディア化と呼んでいます。今やニュースは、空気や水のように当たり前にそこらじゅうにあって、それこそただ道を歩いているだけでも情報を得られます。だからそういう一次的なニュースを配信しているだけのサイトには、誰も付加価値を感じません。今、お客様が欲しているのは、二次的な情報、つまり、コメント、ブログ、ソーシャルブックマークサービス(SBS)などによって生じる、他のお客様との情報共有や相互作用なのです」
確かに、昼休みに知り合いのブログや日記を読んだりしている人も多いですよね。
「我々にとっては、対ニュースサイトよりもそっちのほうがずっと深刻な問題なんですよ。“どこにでもあるニュースの集合サイト”であるYahoo!ニュースに、どうやってお客様を呼び込むのか。ここ1年ほどは、ソーシャルメディア化にかなり力を入れて取り組んでいます。各記事にSBSのアイコンを表示したり、お客様がコメントや評価を記入できる欄を付加したり。SNSやブログを見ているときのように、親近感を持ってもらえるようなサイトをつくっていきたいですね」
お話を聞いていると、未だに情報の出し惜しみをしているような新聞社なんかは、とても太刀打ちできない感じがしますね。
「新聞社には新聞社の考え方がありますから、そこは尊重すべきだと思っています。それに、かなりネットにシフトしているメディアもありますからね。産経新聞なんかは“Web First”を掲げて、トップ記事であってもネットに優先的に流しています。ネット向きの記事も多くつくっていて、素晴らしい取り組みだと思いますよ」
最後に、今後のYahoo!ニュースが目指すところを教えてください。
「“お客様が何を考えているか”、この探求に尽きます。今や世の中のインターネットを使用している多くの若い世代にとって、イラクで戦争が起こっていることよりも、自分のmixiのあしあとがどうなっているかの方に関心が大きくなってきています。そういうお客様の意見をしっかり受け止めてサイトに反映していくことですね」
(編集部)
【前編はこちら】 Yahoo!ニュース担当者が語る!【1】朝日も日経も“競合じゃない”
【中編はこちら】 Yahoo!ニュース担当者が語る!【2】囲い込みなんて、時代遅れ
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