一体なんのための賞? 謎多き「ベストジーニスト」の経済効果
#ジャニーズ #ファッション #イベント
<サイゾー11月号より>
「べストドレッサー賞」「セレブリティ・オブ・ザ・イヤー」「COTTON USA アワード」……など、何を基準に人選しているのか、またその目的が「?」な「ベスト○○賞」「△△大使」が多く存在する。この9月にも、「万年筆大使」に任命された沢尻エリカ様が会見で、「大使って何をすればいいの?」と本音を漏らし、関係者を苦笑させる場面があった。
それらの中で最も有名なのが、「ベストジーニスト」だ。これは日本ジーンズ協議会が84年から開催している、「最もジーンズが似合う有名人」を選ぶイベント。毎年、「一般選出部門」「協議会選出部門」、そして今年度から「特別貢献賞」の計3部門のベストジーニストが誕生している。こうした賞を設けることで、ジーンズ業界に経済波及効果はあるのか? 東レ経営研究所客員研究員の坂口昌章氏は、こう語る。
森進一や島倉千代子が選ばれるワケ
「ほとんどないでしょうね。誰が受賞しても、ジーンズの売り上げが変わるとは思えません。『キムタクが選ばれたから、ジーンズをもっと買おう』という人はいないでしょうし。しかし、仮にジーンズがほとんど売れていない状況ならば、業界の需要開拓につながると思います。『ベストジーニスト』は、主催団体、広告代理店、タレント事務所の利害が一致したイベントであり、それ以上の意味はありません」
また芸能リポーターの梨元勝氏も同様に、「知名度のある賞なので、選ぶ側にも選ばれる側にも話題性があり、それなりのメリットがある。僕なんか毎日ジーパン穿いてるんだから、選ばれてもいいのに!(笑)」と語る。
確かに、「協議会選出部門」の歴代受賞者だけを振り返ってみても、森進一(85年)、橋本龍太郎(同年)、田中眞紀子(98年)、島倉千代子(99年)……と、「え、なぜに?」と思うような顔がチラホラ。どうにもジーンズそっちのけで、その年の「時の人」を選んでいるだけのように思えなくもない。
そして今年、「一般選出部門」でKAT-TUN亀梨和也と倖田來未が2年連続で選ばれた時も、「倖田は、テレビやPVでもほとんどジーパンを穿いてないのに、なぜ?」「大手芸能事務所が、票を操作しているのでは?」という疑問の声が一部で上がったのである。
エイベックス、ジャニーズの独壇場
ここ最近の「一般選出部門」受賞者の顔ぶれを見てみると、男子は94年のSMAP木村拓哉を境に、05年の氷川きよし以外は、すべてジャニタレ。今年も、ベスト10のうち7人がジャニタレだった。木村と草彅剛に至っては、殿堂入りしている。また女子も00年以降、02年の米倉涼子を除き、05年まで浜崎あゆみ(殿堂入り)が、06年からは倖田が受賞。まさに、ジャニーズとエイベックスの独占状態なのだ。これでは、芸能界の力関係が影響しているのではと疑いたくもなる。だが、日本ジーンズ協議会はその疑惑をこう否定する。
「そういう意見があることは知っています。でも『一般選出部門』には、毎年、ネットやハガキで13万人強の票が集まって、そこから集計された純粋な結果です。所属事務所の力関係なんて関係ないですよ(苦笑)」
業界の経済効果については「ない」(同)が、継続する意味としては、「今後はもっと日本のジーンズを世界に普及させるために、海外で開催するなどして業界に貢献していきたい」という。
とはいえ、疑問の残る選考結果では、消費者を疑心暗鬼にさせるだけでしかない。おまけに、増え続ける妙な賞のせいで、「ベスト○○賞」の存在価値も変わっていきそうだ。
(小石川光希)
「ベストジーニスト」
「最もジーンズが似合う」として、その年に話題の人が受賞することが多い。ちなみに、受賞者には盾と賞状は贈呈されるが、賞金はないそうだ。
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