セカンドライフで荒稼ぎ!? 電通とデジハリの商魂
#企業 #ネット #電通
自分自身の分身であるアバターを持ち、現実世界さながらの生活を体感することができるネット上の三次元仮想社会「セカンドライフ」(以下、SL)。全世界での登録者数は約980万人(10月1日現在)を超え、SL内で流通する通貨リンデンドルは実際の米ドルにも換金できることから、新しいビジネスの場としても各企業から注目を集めている。その一方で、
「カジノやバーチャル売春などの性産業による違法性や倫理性が問題になっています。実際アメリカではFBIがSLで行われているギャンブル行為を視察。こうした事態を受けて、SLを運営管理するリンデン・ラボ社は、ギャンブル行為の全面禁止を発表しました。今後もさまざまな違法行為が浮き彫りになっていくでしょう」(IT業界関係者)
という。
土地代数十万円、制作費数千万円!?
しかし、日本では相変わらず多くの企業の参入が続いており、その数は約100社ともいわれ、トヨタや日産、ソニーなど、グローバル企業が名を連ねている。また、日本テレビは、10月3日からSL上で全編収録した番組を地上波で放送開始。ホリプロは、96年にデビューしたバーチャル・アイドル伊達杏子を〝再デビュー〟させた。 こうした大企業の参入の案内役になっているのが、電通などの大手広告代理店の存在だ。果して、有名企業にとってSLへの参入メリットはあるのだろうか?
「彼らは、SLを企業の広告媒体として新たな収益源と考えています。特に電通は、ITクリエイターを多数輩出するデジタルハリウッドと提携するほか、SLに参入する3D制作会社などを囲い込み、専門のプロジェクトチームを社内に複数立ち上げて、各社に売り込みをかけています。SIMと呼ばれるSLの〝土地代〟は一等地でも数十万円程度。世界的な企業にとってはハシタ金ですが、そこで宣伝活動を行うには土地の手配からアバターや建物などの3Dオブジェクトの制作、実際の運営・管理までをセットにして購入する必要があります。プロジェクトの規模にもよりますが、3Dオブジェクトの制作を含めた販売価格は、数千万円程度。電通は、これらを一括して請け負うことで、多額のマージンを手にしているようです」(広告代理店営業)
SLの将来性
今年、ドイツ国籍を持つ中国人女性が、SIMの販売などで日本円にして1億円以上を稼いでいることも伝えられた。また、みずほコーポレート銀行の調査によると、来年にはSLの経済圏は1兆2500億円規模に到達すると強気の予測をしているが……。
「国内でのSLブームの仕掛け役になった電通やデジハリなどが、支援ビジネスによって多額の利益を得ているのは事実。しかし、実際SLの世界においては、カジノやアダルトコンテンツなど、グレーゾーン的なところにばかり、金が落ちているんです。また、SLに登録する約980万人という数もかなり微妙で、『はやっているから、一度だけ覗いてみた』的な幽霊ユーザーがほとんどらしい。その実態は、非常に脆弱な経済圏と言わざるを得ません。現状では、パブリシティ面以外に大企業が参入するメリットは、全くありませんね」(経営コンサルタント)
しかし、現在のSLの世界は、相次ぐ大企業の参入により建築ラッシュが続くバブル状態。現実社会のバブルは必ずいつか崩壊するが、仮想社会は大丈夫だろうか?
(大崎量平)
セカンドライフ
サンフランシスコに本社をおく、リンデン・ラボ社が運営するヴァーチャル世界。仮想通貨を現実通貨に換金できることから、各有名企業が参加している。
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