亀田大毅敗戦! 興毅は大丈夫?「実力の正体」に迫る(前編)
#ボクシング #亀田三兄弟
10月11日、有明コロシアムで行われたWBC世界フライ級タイトルマッチ、王者・内藤大助(宮田ジム)と挑戦者・亀田大毅(協栄ジム)による12回戦は、判定で王者・内藤に軍配が上がった。
この試合における、大毅選手の度重なる反則プレーに観衆の怒りは爆発し、試合後、勝者の内藤選手は“英雄”としてネットや各メディアで賞賛された。試合後のインタビューで、内藤選手は大毅選手について「全然弱かった!」とコメントしている。
さて、次の防衛戦は大毅選手の兄、興毅選手(協栄)との対戦も注目されるが、本当の実力はいったいどれほどのものなのか? 以前より興毅選手の強さに懐疑的だったサイゾー編集部では、本誌誌面にて彼の実力の正体について検証を試みたことがある。今回はその内容をお伝えしたい。
闘拳を生んだボクシング業界の掟とは?
日本では、プロボクシング選手は必ずジムに所属していなければならない。米国では単なる練習場所でしかないが、日本ではジムが選手育成のみならず、マネージメントからプロモートまでの一切を仕切っているのだ(海外では、マネージャー、プロモーターなどは、それぞれジムから独立した職業だ)。さらに全国のジムの代表が集まり、全日本プロボクシング協会を組織し、各種規定を定めている。統轄団体である日本ボクシングコミッションも協会と密接な関係にあるから、事実上、日本のボクシング業界はジムが中心となって運営しているようなものだ。
もし、あなたが第二の亀田を目指そうというなら、弱小ジムに所属するのは、そこによほど素晴らしい指導者がいない限り、避けたほうがいい。なぜなら、現在のボクシング業界は、帝拳ジム、ヨネクラジム、協栄ジムなどを筆頭にした大手ジムの影響力が突出している一方、資本力のない弱小ジムは興行さえ満足に行うことができないからだ。
亀田興毅が、弟たちと一緒に、父でトレーナーの史郎氏から独特の特訓を受けている映像はお馴染みだろう。4人は、所属する協栄ジムではほとんど練習することなく、専用の施設で練習を行っている。これを見て、「だったら、史郎氏自ら『亀田ジム』をつくればいいじゃないか」と思う人もいるだろう。だが、一般人がプロボクシングのジムオーナーになろうとしたら、加盟金として1000万円を協会に支払う必要がある。さらにプロモーターライセンスを取得するにも、お金が必要だ。そして、仮に「亀田ジム」が実現していたとしても、同ジム所属では、今日の亀田の隆盛はなかったかもしれない。亀田の場合、グリーンツダジム、その後、協栄ジムという大手ジムに所属し、そこでのプロモート力があったからこそ、8月2日の世界戦を迎えることができるのだ。
大手ジムの場合、素質がある有望選手に対しては、スター選手、世界王者に育てるべく、デビュー時から特別な計らいをする。マッチメイクにしても、ジム自らがプロモートするため、確実に実績の積める格下の相手や、話題性やランキングを上げやすい相手を、国内のみならず、海外からも連れてくる。有望な選手を、他の国内ジムの有力選手とぶつけるようなマッチマイクはまずしない。選手に自信や実力をつけさせるとともに、「無敗」「連続KO」という冠をつけて、選手の商品価値を上げるためでもある。
(羽田譲治+編集部)
サイゾー人気記事ランキングすべて見る
イチオシ記事