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講談社を巻き込み、したたか医大が“マンガ”で学生集め!

20071026_sangyouikadai.jpg『こころのオフィスクリニック』2巻/講談社

 今月12日、大学センター試験の願書受付が締め切られた。正確な統計は11月に発表されるが、今年の出願者は約52万人で、前年度より1万人ほど減っているらしい。少子化に伴う受験者数の低下が表れており、特に私立大学は学生の確保に危機感を感じていることだろう。

 そんな中、九州の産業医科大学が、なんと漫画を使って生徒集めに成功しているというのだ。しかも、あの「講談社」の人気少女漫画誌「Kiss」で連載され、ちゃんとコミックス化もされているという。

広報担当も真っ青! 敏腕課長の戦略

 漫画のタイトルは、「こころのオフィスクリニック」(沖野ヨーコ・作)。あるデパートで活躍するひよっこ産業医の成長過程を描いた作品だ。同作品のコミックス2巻を見てみると、表紙に“取材協力/産業医科大学”のクレジットが入っている。同大学では、オープンキャンパスや説明会・大学HPなどでこのコミックスを学生たちに無料配布しており、そのおかげか受験者数は順調に増加しているそうだ。

 でも、いったいどんな手を使ったのだろう?? 仕掛け人である、産業医科大学進路指導課の久永勝喜さんに話を聞いてみた。

「産業医というのは、企業などの職場内で従業員の健康管理を担当するお医者さんのことなのですが、世間での認知度はあまりありません。そこで、ドラマや漫画とタイアップしてPRできないかと最初考えていたんです」

 ド、ドラマ!? 実は久永さんは、広告代理店の出身者なのだそうだ。なるほど、この発想力もうなずける。

「東京在勤中に、たまたま『Kiss』で『こころのオフィスクリニック』の第一話を読んで、大急ぎで講談社に電話したんです。取材協力をさせてくれないかって。話を聞いてみると、向こうも本格的な産業医に取材をしていたわけではなかったみたいで、すぐに乗ってくれましたよ」

 素晴らしいアンテナの高さ。ところで、気になるのはPR費。「Kiss」に載って、しかもそれを利用して受験生に宣伝しているとなったら、相当かかってるんじゃないですか?

「いえ、1円も使っていません。こちらからは、取材対象としてうちの卒業生を紹介しただけですよ。強いて言えば、受験学生に配布するコミックスの仕入れ代くらいですかね。コミックスの表紙に“取材協力”のクレジットを入れてもらうのには、かなり苦労しましたが(笑)」

 なななんと!! これだけの企画を一切お金をかけずにやってのけるとは……。

「おかげで受験者数が増えただけじゃなく、学生たちの産業医に対する理解度もグッと上がりましたよ。残念ながら連載は1年ちょっとで終わっちゃって、ドラマにはなりませんでしたけどね。他の大学も『Dr.コトー診療所』とか『海猿』とかいい企画がいっぱいあるんだから、乗っかればいいのに。もったいない話ですよ」

 いやはや、恐れ入りました。それにしても、受験生集めにマンガとメディアミックスとは、教育業界も大変な時代になったものである。
(編集部)

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最終更新:2008/06/09 20:31
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