筑紫復帰で、みのもんた登板回避 !?
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ネット上では、完全引退説のみならず、様態悪化説まで流れたTBSの筑紫哲也氏が、復帰に向けて順調に回復しているという。72歳という高齢での初期の肺ガンと診断され、その先行きにはさまざまな憶測が流れた。一部では「死亡説」まで流れたほどだ。 しかし、実際には、懸命の化学療法や放射線療法が功を奏し、「今では、ほとんど完治した」(筑紫氏周辺の関係者)という。
ならばと、サイゾー編集部が、誌面への出演オファーをしたところ、事務所より「『ニュース23』への復帰が最優先で、それまでは待ってほしい」という丁重なお断りを受けた。10月復帰も夢ではないようだ。
だが、筑紫氏の肺がんは、小細胞がんのタイプに該当する。がんの約2割を占めるこのタイプは、先の治療法が有効な反面、再発、転移の可能性が高いという。依然、予断は許さない状況といえるだろう。激動の政局を見て、ジャーナリスト魂がうずいているだろうが、無理はしてもらいたくないものである。
ところで、筑紫氏の後継者に、みのもんた氏の名前が出てきたときには、「どーしたものか」と頭を抱えていた賢明な視聴者にとっては、筑紫氏の復帰はひとまずありがたい報告だろう。
みの氏といえば、安倍首相退任後、自身が司会を務める番組で「安倍首相に落ち度はない」と発言するなど、不偏不党が原則の報道・情報番組において、あからさまに安倍に肩入れする言動が疑問視されてきた。この点は、「サイゾー」10月号の「マル劇トーク・オン・デマンド」にゲスト出演している上杉隆氏の著書『官邸崩壊』(新潮社)に詳しい。同書には、こうある。
いまや最も永田町が気にするとされる「朝ズバッ!」、その番組は「みの政局」とすら呼ばれる影響力を誇る。(中略)ある朝、それをチェックしようと、テレビをつけたある政治記者は驚いた。年金問題でみのが話す内容は、安倍官邸の言っていることとまるで一致していたからだ。
上杉氏によれば、安倍首相の秘書官である井上義行氏とみの氏は、家が近く、昵懇であり、井上氏がみの氏に安倍首相の「すごさ」を執拗に吹聴することで、みの氏もすっかり安倍シンパになってしまったとのことだ。みの氏自ら、安倍首相のスポークスマンを買って出て、自らが担当するテレビやラジオに安倍首相を呼んで、参院選に向けたプロパガンダの片棒を担いでいたというのだから驚きだ。
『官邸崩壊』には、そのほか、辞任に至る直前までの安倍首相やその周辺の動静が詳細に描かれている。たとえば、『美しい国へ』(文春新書)を、著者である安倍首相本人の目の前で絶賛する読売新聞のナベツネを、不機嫌に眺める安倍首相。なぜなら、ナベツネが、その前日に山崎拓氏に会い、同書を「過去最低の政治家本」と罵っていたことを知っているからだった――などという描写は、失笑を禁じ得ない。
同書に描かれた、まさに現場に立ち会わせたかのようなディテールの細かさは圧巻だ。マスメディアは映さない官邸の内側が手に取るようにわかる必読書である。
(編集部)
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