落語界がマルサに戦々恐々! 正蔵申告漏れは氷山の一角!?
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4月16日、落語家の林家正蔵が、東京国税局から約2200万円の所得隠しを指摘されていたことがわかった。
申告漏れ総額は2005年までの3年間で計約1億2000万円で、追徴税額は計約4500万円に上るとみられる。これに対して落語界からは「迷惑この上ない」(若手の落語家)というブーイングが上がっている。
それというのも、所得隠しの「タロ」(「金」を意味する落語界の隠語)の出所に問題があったからだ。所得隠しの対象となったのは、05年3月に「9代目林家正蔵」を襲名した際の“御祝儀”。東京・根岸の自宅地下室から空の祝儀袋が大量に見つかり、東京国税局が「所得の隠蔽」と認定した。正蔵は釈明会見で、「父の代からお金のことは大まかだった」と、父・林家三平の名前まで出すという不真面目な謝罪をした。
それに対して前出の若手落語家は、「正蔵師匠にとっては軽い問題かもしれないが、自分たちにとっては大問題だ」と憤る。
落語家の懐事情は、正蔵などの大物落語家を除けば、大半は厳しい。本業である寄席への出演は1日数千円の稼ぎにしかならず、あとは司会や余興などで食いつないでいるのが現状。だからこそ有力な収入源となっているのが、この祝儀なのだ。ある興行関係者は、「若手落語家の年収はせいぜい300万円程度であり、贔屓筋からの祝儀で食いつないでいるのが現状」と指摘する。
今回の申告漏れの指摘は、「申告もせず金ばかり使っていた正蔵に対し、国税当局がキレたのではないか。国税は、一度指摘したケースを前例として、同じ業界を集中的にマークする傾向がある」(金融関係者)といい、今後は、ほかの落語家の祝儀が国税当局に指摘される可能性も出てくる。ろくな収入がない若手落語家にとっては死活問題であり、「9代目襲名に批判の声もあった正蔵を、さらにうっとうしく思う落語関係者も増えそう」(興行関係者)とのことだが、そもそも本来は申告すべきものだということも忘れないでいただきたいものである。(千代田文矢/「サイゾー」6月号より)
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