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ジャニーズ「登記簿変更」に隠された野望と憂慮

 5月下旬、木村拓哉と香取慎吾が招待もされていないのに、国際映画祭の真っ直中であったカンヌの地を踏んだ。目的は近々公開される彼らの主演映画『HERO』と『西遊記』のPR。両作品を製作したフジテレビが、莫大なギャラを積んでお膳立てしたものだ。

だが、「何しに来たのか?」と現地にいた記者に突っ込まれたように、こんな「格好悪い」役回りを2人が引き受けたのは、ジャニーズ側の、あるもくろみがあったからだ。

それは、2人を日本屈指の映画俳優として、海外の映画関係者やメディアにアピールするというものだ。これは、現在のジャニーズが、映画界進出に躍起になっていることの表れと見て取れる。

「音楽市場の低迷、ドラマやバラエティ番組の視聴率の不振を受けて、ジャニーズは昨年あたりから、活況を呈している映画事業に目をつけたんです」(芸能プロ関係者)

 すでに本誌既報の通り、ジャニーズ傘下のジェイ・ドリームは、映画事業を立ち上げたエイベックスと急激に距離を縮め、映画の共同配給を開始した。それだけではない。ジャニーズ事務所本体も、映画事業に本格参入すべく、会社登記簿に記された「目的」の項目を、今年4月20日付で変更している。これまでの「アーティストの育成、芸能教習所の経営」などに加えて、「各種イベントの企画立案並びに映画・演劇・コンサート・講座等のチケット販売」といった文言が入ったのだ。

「これまでは、ジャニー喜多川社長のずば抜けた審美眼により、次々に秀逸なタレントを生み出してきたが、ジャニー氏が高齢である今、いつまでもマネジメント事業を主軸には置いていられない。ほかの大手芸能プロのように、自らのタレントを使った制作や興行に注力することで、より相乗的な収益を上げていくことを狙っているのでしょう」(前出・芸能プロ関係者)

 だが、この拡大路線が、ジャニーズ帝国の基盤を揺るがしかねないという指摘がある。その危機感の表れが、会社登記のもうひとつの変更点に見てとれる。株式に関する規定を「株式を譲渡により取得するには、取締役会の承認を受けなければならない」と変更しており、「株式を取得する」ことに対して条件が加えられたのだ。事情に詳しい関係者は、次のように指摘する。

「エイベックスと組む以上、これまでジャニーズがかかわらなかった、さまざまな企業やグループと近くなる可能性が出てきます。そうなると、これまではジャニー社長と姉のメリー藤島副社長が掌握してきた経営権を握りたがる第三者が出てきてもおかしくない。つまりは、莫大な資本力を持つエイベックスグループに寝首をかかれないようにするための防衛策ですよ」

 万が一、一部の役員や株主の反乱などにより、エイベックス側に大量の株が渡れば、ジャニーズが同グループの傘下に組み入れられることも否定できないのだ。

「逆説的にいえば、今のジャニーズは、それだけ外部からの攻撃に脆弱な体制なんです。これまで一枚岩だったジャニー氏とメリー氏の関係も、微妙になっていますから。たとえば、かねてからメリー氏に反発していた赤西が留学したため、KAT-TUNは明らかにパワーダウン。そこでジャニー氏が赤西に懇願して復帰してもらい、難を切り抜けた。さらにメリー氏が強烈にプッシュするNEWSは不調で、ジャニー氏が寵愛する関ジャニ∞の勢いが出てきた。社内は、明らかにジャニー派が力を強めています」

 加えて、ジャニー派といわれるSMAPを仕切る飯島三智氏は、特にエイベックスに近い存在。前述した映画の共同配給も飯島氏が進めたことだ。

 一方、メリー氏とジャニーズ事務所の後継者候補である、その娘ジュリー藤島氏は、外部との提携には慎重ともいわれる。さらにメリー派といわれていた近藤真彦が、権力を保持したジャニー派に寝返り、メリー派の東山紀之を差し置いて、有力後継者に名乗り出たという噂も流れる始末。事業展開と後継問題で岐路を迎えた帝国の行く末はいかに……。(高瀬 玄/「サイゾー」7月号より)

最終更新:2013/02/04 19:49
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